「あまりにむごい」…インド人女子大生葬儀
【ダッカ金子淳】バングラデシュの首都ダッカで人質20人が殺害されたテロ事件で、犠牲となったインド人女子大生、タラシ・ジェインさん(19)の葬儀が4日、インドの首都ニューデリー近郊で営まれた。「どうして罪のない子を殺すのか」「あまりにもむごい」。毎日新聞助手の取材に応じた親族や友人は悲しみや怒りを口にし早すぎる死を悼んだ。
親族らによると、ジェインさんはダッカで服飾関係の仕事に就く両親の下で育ち、米国の大学に留学したが、両親の実家があるインド北部フィロザバードをたびたび訪れていた。事件当時は休暇で米国からダッカの両親の元に帰省中で、友人2人と事件があったレストランに出かけ襲撃に巻き込まれた。葬儀に参列した親戚のアジット・ジェインさんは泣きながら「あの子はあまりにもひどい苦痛を受けた」と話した。
ジェインさん一家と親しいフィロザバードのM・C・シャルマさんによると、事件を受け、ジェインさんの父親はレストランの前に駆けつけ救出の様子を見守った。武装集団の立てこもりが続く中、ジェインさんはトイレに隠れ、父親に泣きながら「パパ、助けて」と電話で訴えたという。だが、救出作戦が終わったときには、変わり果てた姿となっていた。シャルマさんは「とても賢い子だった。今も彼女の笑顔が浮かぶ」と嘆いた。