仕事術
公開日:2016.06.24

「そもそも論」のメリット・デメリット

広告代理店として、クライントや自社のマーケティングやプロモーション、ホームページの制作やコピーライティング、広告の運用、システム開発などを行っていると、日々、時間に追われたりします。途中でクライントの要望が変わったり、要望を追加したりと様々な状況が出てきて、考えることを放棄したくなりそうな場面も出てきます。

しかし、広告代理店はクライアントの成果を出す立場。様々な事を思考し続けなければいけません。その際の思考法の1つとして役立つのがそもそも論。プロモーションでABテストを繰り返している最中、プロモーション中に上手くいかなくて、企画自体に迷いそうな最中、作ったコピーやLPが全然コンバージョンしない時などは、各担当者の心境は少しずつ焦り、ブレてきます。

そんな時にこそ、そもそも論を適宜、クライアントや担当チーム、もしくは自分自身に投げかけるだけでもスタート地点に立ち返りやすく、軸がブレずに済むなどのメリットもあります。その反面、そもそも論では直接の問題解決に寄与しないデメリットもあります。

そもそも論とは、そもそも何なの?

何かの問題にぶつかった時に、その問題のスタートした背景や前提まで戻った上で、考察し、問題解決を図ろうと言う思考法・論法の1つです。プロモーションの場合で例えると、(そもそも)誰をターゲットで、(そもそも)どんな企画で、(そもそも)どんな商品を販売したかったのか、(そもそも)どんな宣伝方法で、(そもそも)どんな計画だったのかと、そのプロモーションのスタート段階まで遡り、前提条件から、現在の問題点を探ることなどで活用されます。

そもそも論は、どんな時に役立つのか?

例えば、ホームページのデザインをしている時、WEBデザイナーは何のためにデザインを作るのかを考えなければいけません。会社案内用のホームページなのか、集客用のホームページなのか、ターゲットは誰なのか(性別・年代・趣味嗜好等)、商品やサービスのポイントは何なのか?などを考えながらデザインを起こします。

こういった時に「そもそもこのコンテンツは読みやすいのか?」「そもそもこのコピーは分かりにくくないか?」「そもそもデザインはこんなに派手でいいのか?」と原点※に戻ることで、全体を俯瞰し、最適なデザイン※を起こしていくことが出来ます。

※このケースの「原点」とは、マーケティング活動への貢献の仕方の事ですね。「最適なデザイン」とは、このマーケティング活動等を成功させるための「デザイン」の事を指します。

またビジネスを行っていると、想像以上に集客できない、物が売れない、スタッフが辞めた、競合が出てきた、クライアントが違うことを言い出した等の「前提条件」自体が変わってくる事があります。その時には、ビジネスや企画自体を再構築しないといけません。その際に「そもそも」と考えることにより、周囲との意思統一を図り、適切な方向に議論を持っていくことが出来るでしょう。

そもそも論の問題点とは?

そもそも論とは、問題点の「原点」や「前提」に立ち返る思考法ですし、論法になります。論法という事は、対話の中で、相手の論法をねじ伏せる力も持っています。「そもそもこの◯◯は・・・」と言うことにより、妙な説得力を持ち、問題点に対する議論を消し去る事も出来ます。

私達は問題点が出てきた時に、「原点」や「前提」に立ち返ることは確かに重要です。立ち返ることにより、「スタート時点の前提」と「現時点のズレやブレ」を正す役割も果たします。しかし、ビジネスはやらなければ分からない事や、やっている間に状況が変わることも多々あります。その時には「前提条件自体」が変わることもあり、「そもそも論」が役に立たないケースもあります。これが問題点の1つです。

もう1つの問題は、問題や課題が出てきた時に、議論を積み重ね、問題の解決に当たらなればいけません。「どのようにしていかなくてはいけないか」と今後の対応を議論している時に、「そもそも・・」と言う様に、蒸し返す論法になってしまうと、議論の腰を折ってしまうケースも多々あります。この場合は生産的な話し合いがなかなか出来ずに時間を無駄に浪費してしまうでしょう。

どんな思考法も論法も使い方1つ

このように「そもそも論」は使い方1つで武器にもマイナスにもなります。反省をする意味で「そもそも論」は必ず必要です。そうでないと、次回も同じことを繰り返すことになるでしょう。しかし、時と場合によっては「そもそも論」自体が役に立たなく、自分や周囲の思考の足を引っ張るケースもあります。投げかける言葉で、人の頭は思考を始めます。タイミングやシチュエーションを見ながら、「そもそも論」を適切に使いこなしましょう。

今回はそもそも論に関しての記事でしたが、世間で言われている様々な思考法も論法も使い方1つ。その手法の長所・短所、もしくは特徴を把握し、適切に使いましょう。

勿論、私達経営者はどんな手法でも、短所を理解しつつ、長所に出るように使いこなさなければいけません。

そもそもね。

 

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執筆者:藤 勝行 (http://xlab.co.jp)

4年間経営した会社を倒産後、再度起業したインターネット広告代理店(エックスラボ社)を3期目で年商約10億円グループにまで成長させる。集客をしたい中小企業の経営者や大手企業の担当者、同業他社までも参加するセミナーを開催する起業家。広告マン兼マーケッター。

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