すごくバカバカしいくせに、やたらと本質的なマンガに出会ってしまった…。
見るからに、ギャグなんだけど…ギャグというよりも、「ギャグを装ったマジ」な感じがして乾いた笑い声しか出ないのよね…。
・概要
ファッション苦行ギャグマンガ! 流行やオシャレに無縁の男たちが、女性ファッション誌の編集部へと異動となり、日々オシャレな誌面づくりやオシャレな女性文化に翻弄されつつも前向きに仕事をするギャグマンガ。「フリンジマン」著者の青木U平が描く、異文化ギャップコメディ!
(服なんて、どうでもいいと思ってた。 1 より)
明らかにファッションに無縁(主人公にいたっては盆栽雑誌の編集)だった男4人が、
突如として、ファッション誌の編集担当に!!
主人公にオシャレの適性があるかというと…むしろ逆。
スペックの高さゆえに(学校では)モテるのに、ファッションセンスが皆無なせいで、(デートの約束までした女の子がドン引きして直帰するほどに)まともにデートにこぎつけたこともないほどのファッション音痴。
そんな主人公に勝るとも劣らないファッション音痴3人と、女心は心得つつもファッションについてはてんでだめなデスクの男4人組が「ファッションと女性についての偏見」を垂れ流していく作品。
非モテ男子中学生が考えた「偏見」をそのまんまマンガ化した作品。
…誰よりも人のことが言えない僕が言うのもなんだが…このマンガの偏見っぷりは酷い。
ただ、このマンガのファッションへの偏見を見て「ここまで行くと酷いなぁ〜」と思ったことが、ぼく自身の持ってる偏見を書きなぐった記事を作ることにつながった。
オシャレに無関心な男に、母親や彼女が服を買い与えても無意味!!
…そこで、チャラ男とキラキラ女子への嫌悪感からファッションにも、キラキラした場所にも踏み込めなかった話をした所、次のような記事で、ファッションを教えてくれる人が現れた。
そして、女性からもこのようなリアクションをいただく。
ファッションもたいがい趣味でオタクな世界なので、「オシャレ=チャラ男&キラキラ女子=バカ」という偏見は、一般人のオタクに対する偏見や、年長者の若者フォビアと同じなんだよなぁ… / “オシャレに無関心な男に、母親や彼女が服を買い与…” https://t.co/NeD7XgosnK
— 宇野ゆうか (@YuhkaUno) 2016年6月28日
正論はそういうことなんですよ。 オタクがファッションを小馬鹿にするのは、オタクがオタクにとってされていやなことをしてるから、オタクがファッション(オタクという別の種類のオタクを敬遠するという形で)ディスるのは本当はやっちゃいけないことなんだ。
同時に、僕自身が生理的に「ファッションやってる奴、なんか怖い」「自分のものさしでみるとダサいからリスペクトできない」と思う人間だ。そして、同じ感情を抱く人間の気持ちは痛いほどわかる。
その、痛いほどわかる「みっともないし、相手にとっては理不尽極まりない偏見」だけで、マンガを1本作ってしまったのが、この作品だ。
そして、その非モテをこじらせた男達の妄想と、そこに寄せて作られたおしゃれな人達(の世界観)がどうしようもなさすぎて面白いんだ。
ある時は、おしゃれを侮辱した罪で牢屋に入れられたり、
またある時は、オシャレのために超人的な努力をしていたり…
根拠の乏しい偏見の塊なのに、なぜかそれが面白くて面白くてしょうがない。
しかも、大部分は的外れなくせに、たまに本誌的なこと、共感できることも言ってるところが、また笑える。
現実なら軽蔑の的にしかならないであろう彼らが、どう考えてもファッションを侮辱してるとしか思えない彼らのアイデアで…ヒーローになっちゃったりするんだよなぁ…。
その過程自体が「オシャレに対して偏見や見下しがある男の心情」がわかってなきゃ痛々しさはもうすでにホモソーシャル。
男の内輪ネタ。男同士でしか笑えないバカらしさであり、偏見!!
でも…そういうモノをストレートに表現してる媒体…あまりにもストレートすぎてホモソーシャルな偏見・男性同士の悪ノリに染まりすぎてる人が反面教師にできるほどひどい作品ってなかなかないんだよなぁ…。
・関連記事
「偏見」からできてるマンガ繋がり。こっちはもうちょっと内容重視。