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公約「うそ」認める幹部 「投票後悔」の声も

取材に応じる英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首=2016年6月24日、AP

直後の訂正、国民の怒りは爆発

 【ロンドン三木幸治】欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票を巡り、離脱派の主要人物が訴えてきた公約の「うそ」を認め、国民から強い批判が出ている。ツイッターでは「離脱への投票を後悔している」という書き込みがあふれ、英政府に2度目の国民投票を求める署名は350万人を突破した。

 「離脱派のキャンペーンで起きた間違いの一つだ」。離脱派を引っ張ってきた英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首が24日のテレビ番組であっさりと間違いを認めたのは、英国がEU加盟国として支払っている拠出金の額だ。

 投票前、離脱派は拠出金が週3億5000万ポンド(約480億円)に達すると主張していた。与党・保守党のボリス・ジョンソン前ロンドン市長らが全国を遊説したバスの側面にも、巨額の拠出金を「国民医療サービス(NHS)の財源にしよう」と書かれていた。

 一方で残留派は、EUから英国に分配される補助金などを差し引くと、拠出金は「週1億数千万ポンドだ」と反論。ファラージ氏は番組で残留派の主張が正しいことを事実上、認めた。

 また、離脱派はEU加盟国からの移民制限を主張していたが、離脱派のダニエル・ハナン欧州議会議員は24日のテレビ番組で、「移民がゼロになるわけではなく、少しだけ管理できるようになる」と、「下方修正」した。離脱した英国が今後、EUと貿易協定を結ぶためには、「人の移動の自由」が条件になる可能性があり、こうした交渉を見据えた発言とみられる。

 だが、国民投票で離脱が決まった直後の訂正だけに、国民の怒りは爆発。ツイッターでも「うそを信じてしまった」と離脱派に投票したことを後悔する書き込みが増加した。離脱派が主張していた「BREXIT(ブレグジット)」(英国<BRITAIN>と離脱<EXIT>の造語)に絡め、REGRET(後悔)とEXITを組み合わせた「REGREXIT」(リグレジット)という造語も生まれ、ツイッターなどで使われている。

 2度目の国民投票を求める請願の署名数は増加し続け、26日夜時点で350万人を超えた。請願は「残留または離脱の得票率が60%未満」で、「投票率が75%未満」だった場合、2度目の投票を実施するよう求める内容だ。今回の投票はこうした条件に合致しているが、請願が審議される前に国民投票が終了したことから、さかのぼって適用するのは難しいとみられる。ただ英下院で議論する対象になるかを決める要件の署名数の10万人を上回っている。

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