内面よりも、外見を好きだと言ってほしい

好きな人や恋人から、「性格が好き」と言われるのと、「顔が好き」と言われるのでは、どちらが嬉しいでしょうか? 「性格が好き」と言われる方が、自分の本質を見てくれているようで嬉しいと感じる人は多いかもしれません。でも、下田美咲さんは「顔」を好かれる方が安心するのだそう。それはなぜなのでしょうか?

10代の頃から身体をはって愛と契について研究してきた下田美咲さんが、男性に対して「一目置いた」「惚れた」と感じたエピソードを中心に、下田さんのユニークな持論を展開していく本連載。今回は、好きになってもらいたいポイントについてです。

一般的に、人が人を好きになる理由は「性格」であるべき、というムードがある。だから出会ったばかりの男の人から「好きです。付き合ってください」と言われると、「私の中身なんてまだ何も知らないのに」とか「もっとお互いのことをよく知ってから……」という反応をする女性は多い。

そういう人を見るたびに、この人は一体、自分の中身にどれだけ良いところがあると思っているんだろう、と思う。私は断固として、顔で好かれたい派だ。外見のみで私のことを選んでほしい。

外見に比べて、性格はあまりにも不安定なもの

だって、性格なんて、簡単に変わってしまう。性格を好かれて付き合ったところで、付き合った後もその性格を維持できる気がしない。性格というのは「私のはコレ!」って決まったものを、家から持っていくようなものではない。話し方なんて緊張しただけで変わってしまうし、疲れている日や体調が悪いときは、うまくニコニコできない。

性格は、相手との関係次第ですごく変わる。たとえば、家で親と接しているときの私と、外で友達と接しているときの私は、わりと違う性格をしているし、男友達といるときの私と、恋人といるときの私では、声音も変わるし、言葉の選び方も変わる。

だから、たとえば知人対応の私の性格が好かれたとしても、付き合った瞬間からそんなものは失われてしまう。知人対応の私を見て「美咲ちゃんの優しいところが好き」と言われても、付き合ったらそのままではいられない可能性は、かなり高い。だって、知人と恋人では求めるものが違ってくるから、知人の時には何とも思っていなかったことが、恋人になると許せなくなる(許すわけにいかなくなる)というようなことがたくさんある。

さらに言うと、恋人ならセーフなことでも、結婚相手だとNGなことというのもあって、たとえば恋人の家が汚くても気にならないけれど、結婚する予定の相手の家が汚いと、この先困る場面が出てくると思うから、相手にとって耳の痛いことを言わざるを得ない。

どうでもいい相手には許容範囲を広く持てるから優しくできるけれど、これからもずっと一緒にいたい相手には厳しくならないといけない場合って、かなりある。

仕事の時の私を見て「美咲ちゃんの芯が通ってるところに惚れた。自分をしっかり持っているところが好き」と言われても、私は恋人の前では意志がない女になるし赤ちゃんモードに入るから、付き合ったら私がしっかりする場面なんて全然でてこない。

恋人バージョンの私は、恋人になってからしか発生しないから、付き合う前の性格を気に入られて「内面が好き」と言われても、それは維持できない部分だから困る。

どんな言い方をするか、どんな反応をするか、それを性格だと呼ぶならば、外見に比べて、性格は、あまりにも不安定なものだと思う。

外見は変わるけど、それでも性格よりは安定している理由

それに比べて、外見は、すごく安定している。緊張しても、脚の形や胸のサイズは変わらないし、疲れていても輪郭は変わらないし、体調が悪くても目鼻立ちは変わらない。一年後に肩書きや月収が変わっている可能性はあっても、肌の色が変わっている可能性はゼロに等しい。体型にしても、私は食べたいものを食べて運動も特にしないで生きてきて、ずっと今の体型だ。

もちろんいつかは老けるし変わる。けど、性格やその他のプロフィールに比べたら、2、3年単位では、外見は安定したものを提供できる。ブレないし、自分次第でどうとでもなる。

10年後には老化するから、今と顔も体型も変わるだろうけれど、私は同一の男性とそんな長い期間一緒にいるつもりがないので、問題がない。同一の男性と過ごす2年くらいに関しては、どの年齢の2年であれ、そんな大きな変化はない。

こういう話をすると、「事故とか火事にあって、顔に傷ができたらどうするの?」と訊かれることがあるけれど、そもそも顔に傷を負うような事故に遭ったら、性格にも影響がかなり出る。人生観もかなり変わる。顔に大ケガなどしたら、そもそも性格が暗くなる。見た目に問題が残る事故や火事は、明るい性格を奪う。事故や火事を想定すると、内面で選ばれてても破局しかねない。

この先、どれだけ性格が変わってもいいんだと思わせてくれた彼

数年前、付き合っていた彼に「私のどこが好きなの?」と訊いたときのこと。彼が「顔」と即答したので、楽しくなって「あとは? あとは?」訊いたところ、彼は少し考えてから、こう言った。

「ない! 逆に美咲ちゃんって顔以外に良いところあるの?」

ああ、この人の隣では、この先どれだけ性格が変わってしまっても大丈夫だ、と思った。

顔さえあれば、あとは他に何も良いところがなくても、こんなに好きでいてもらえる(ちなみに、「顔が一番好き、なんて言われたら、スッピン見せられないじゃん」という意見があるけれど、そもそもメイクした顔なんて、元の顔と僅差であって、メイクだけで美人は作れないしブスも隠せてないよ、と思う。メイクをした状態でも、すっぴんがどの程度なのかなんて男性陣は普通に予測できている。だから、これまで私の顔が好きと言ってくれた人は、私がすっぴんを見せても、100%「すっぴん好き!」と言ってくれた)。

私は料理も洗濯も洗い物も、いつも彼がしているところを見るだけで手伝ったこともなかったけど、引き続き、その感じで大丈夫なんだなぁと思った。

顔だけで好かれるって、すごく安心だ。

(次回7/6更新予定)

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下田美咲の口説き方

下田美咲

下田美咲さんという女性をご存じでしょうか。13歳からモデルをしながらも事務所には所属せず、自宅の車を宣伝カーに改造してゲリラパフォーマンスを行ったり、「飲み会コール動画」などのオリジナル動画を180本以上手がけてYouTubeにアップ...もっと読む

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コメント

ryohoben 今回のいいぞ!  3分前 replyretweetfavorite

shiroyama34 確かに性格が好きより顔が好きと言われるほうが嬉しい。連載初回から面白いこと言うこの人 14分前 replyretweetfavorite

ninnn896 納得 https://t.co/j8JAJi7dsO 約1時間前 replyretweetfavorite

SiouxsieQ5 |下田美咲 @shimodamisaki 昔、顔さえ良ければどんな性格でもいいという男友達がいたけど、それは恋人にするならという話で結局しっかりした人と結婚してたなー。 https://t.co/UyMmYRisnH 約1時間前 replyretweetfavorite