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とっさにスマホを取り出してすべてを写真に収めようとする人達「お願いだから、人生の大切な瞬間をすべてレンズの中に収めようとしないで。」

Taking a photo while having breakfast
夏目力

パリのルーヴル美術館に行った時、モナリザの絵をなんとか写真に収めようと、みんな必死になっていたのが今でも記憶に残っています。

最近、フェアフィールド大学のHenkel氏が発表したリサーチによれば、写真を撮ることはその出来事を、「思い出」として残しておく働きを鈍らせるらしく、自分の「思い出」の記憶をテクノロジーに委ねてはいけないと警告を出しました。

In museum.↑美術館はいつもこんな感じ。

Henkel氏が発表した内容によれば、人々は誕生日や結婚式など、重要な瞬間には決まってカメラを取り出して、何枚も写真を撮りますが、脳の機能がカメラのアングル調整やシャッターを切ることだけに集中してしまうため、写真として残すことはできても、その時の感情は長期間、心の中に留めておくことはできないんだそうです。

「心のレンズとカメラのレンズは一緒ではありません。多くの人はとっさに携帯を取り出して、その瞬間をカメラに収めようとしますが、それは目の前で起こっていることに対して、自分から背を向けていることになるのです。(Henkel氏)

Birthday: Blow Out the Candles↑二度と戻ってこない、この瞬間を本気で味わうか、それともレンズに収めようとするか。

実験では二つのグループが美術館を訪れ、一つのグループは写真に撮ることで作品を覚えてもらい、もう一つのグループは写真なしで普通に見て、作品を覚えてもらいましたが、写真を撮らず作品を見てもらったグループの方が明らかに記憶力がよかったとHenkel氏は伝えています。

「テクノロジーに頼りすぎる人たちは、カメラに思い出の記憶を委ねて、自分自身に注意を払うことを忘れてしまっています。」

5941894871_6f6648d2fc_z↑細胞を通じて体に取り込まないと記憶には残らない。(Flickr/Nige Harris)

ただ実験の中には一つだけ例外があり、ある物体に対してズームインして写真を撮った場合の記憶力はあまり損なわれませんでした。

もちろん、これだけカメラが普及しているなかで、写真を撮らないことなどありえませんが、カメラを取り出す前に「この瞬間をどのように保存しようか」、という事を一度考える必要があるのかもしれません。

昨日、記事にも書きましたが、特に20代の若者はFacebookに載せるために良い写真や動画を撮るのに必死で、目の前で起こっている本当に大事なことに目を向けられていません。

This is going on my wall↑お願いだから、人生の大切な瞬間をただの思い出にしないで。

GoogleもFacebookもアルゴリズムによってあなたのストーリーを作り出しますが、人生の物語とは長期的な記憶と短期間な記憶が混ざりあって構成され、その時の感情がリンクすることで、うま味が出てくるのではないでしょうか。

もし目の前の瞬間を写真に収めることだけに集中してしまうと、「本当に大事な瞬間」はあなたのメモリーバンクに蓄積されず、SNS上の「いいね!」や「プラス1」だけで終わってしまいます。

Woman holding social media photo prints↑本当に思い出にしかすがれない人生でいいのか「あの頃に戻れたらなんていう人生に価値はない。」

19世紀に写真というモノが発明されて以来、現在までに約3.8兆枚の写真が撮られたそうです。

もし写真が1枚1000文字の言葉を語るなら、写真によって3,800,000,000,000,000文字の物語が伝えられてきたことになりますが、「自分の良いところだけ」を伝えようと必死になり、自分自身に長期的な栄養を与えられいないのが今の若者の現状なのかもしれません。

感情がないロボットやソフトウェアがどんどん人間の仕事を奪っていくなか、人間が自分に長期的な栄養を与えられなくなったら、人間の未来はもう存在しないのかもしれません。


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