iPhone「勝手に電話を発信された履歴があって怖すぎ」問題の原因と対策
2016-06-18 6:15iPhoneの電話発信履歴に覚えのない相手の名前や電話番号が表示されていて「え……ウイルスに感染した?」と恐怖したり、焦ったりしたことはないでしょうか。また、電話しようとすら思っていないのに、勝手に発信中になり、慌てて電話を切った経験があるユーザーも少なくないでしょう。
電話帳に登録してあっても頻繁に連絡する相手は限られます。電話番号は知っているが、電話したことがないという連絡先も多いはず。履歴を残してしまった相手と親しい間柄ならそれほど問題ありませんが、そうでない場合は困ったことになりかねません。
そこで本記事では、勝手に電話が発信されてしまう原因とその対策についてまとめました。
原因1:音声による意図しない電話発信
iPhoneでは「Siri」や「音声コントロール」といった音声入力による操作方法が提供されています。これらが"勝手な電話発信"の主な原因です。
この点、Siri機能を有効なままにしておくか、それとも完全に無効にしてしまうのか。どちらを選択するかによって、対策が異なります。
Siriを有効にしている場合の対策は「ロック中のSiri起動の禁止」と「Hey Siriの無効化」
音声アシスタント「Siri」を使えば、iPhoneに話しかけるだけで電話を発信できます。 Siriは、 ホームボタンの長押しか「Hey Siri」と話しかけることで、ロック中でもロック解除中でも構わず起動します。
Siriで通話を開始する。
ここで問題になるのが、周囲の音を拾って勝手に発信してしまう誤作動。iPhoneが手元にあるときだけでなく、カバンやポケットなどの中でも意図せず動作してしまうケースがあり、その結果として発信履歴に覚えのない相手が登場することになってしまうわけです。Siriとしては命令を忠実に実行しているだけなのですが、会社の上司や旧友などの携帯に着信履歴を残すことは避けたいところでしょう。
Siriによる意図しない電話発信を防止するための対策としては、Siriの起動をできるだけ抑制することが有効となります。
Siriの起動は、「ロック解除中」に「ホームボタンを長押し」した場合に起動を限定してしまうことで大きく抑制できます。つまり、ロック中の起動を禁止し、かつ、「Hey Siri」による起動をオフにしてしまえばよいのです。
まず、ロック中にSiriを起動させないようにするには、設定アプリ→[Touch IDとパスコード]→[Siri]をオフにすればOK(パスコード未設定の場合は設定する必要あり)。これでロック中にSiriが起動しなくなります。
ロック中にSiriにアクセスできないようにする。
次に、ロック解除中に「Hey Siri」の発話(もしくは似た音声を拾ってしまうこと)によるSiri起動を防止します。設定アプリ→[一般]→[Siri]→["Hey Siri"を許可]をオフにすれば、Siri起動をホームボタン長押し時に限定できます。
"Hey Siri"によるSiri起動をオフにする。
さらに、ロック解除中の誤操作をできるだけ減らすため、後述のようにしてロック解除のハードルを上げておくべきでしょう。
ロック中のSiri起動を禁止しなくても、音声ダイヤルのオフで十分かもしれない
ロック中のSiri起動を禁止すると、ロック中に一切Siriを利用できなくなります。ロック解除すれば使えるので構わないユーザーにとっては問題ありませんが、ロック解除の一手間が面倒だというユーザーにとっては制約を課しすぎなきらいがあります。
その場合、ロック中のSiri起動を禁止せず、設定アプリ→[Touch IDとパスコード]→[音声ダイヤル]で音声ダイヤル機能だけをオフにする設定方法も検討してみてください。ロック画面でSiriを使って電話しようとすると、iPhoneのロック解除を要求されるようになります。こうすれば、ロック中に勝手に電話をかけられることはほぼ無くなるはずです。
音声ダイヤルをオフにする。
ただし、Touch ID搭載のホームボタンを登録済みの指で長押ししてSiriを起動すると、ロック解除は要求されることなく、すぐに電話が発信されます。自分でホームボタンを長押ししているため、意図せず電話を発信することは考えづらい場面です。特に問題はないでしょう。
Siriを無効にしている場合の対策は「音声ダイヤルの無効化」
Siriは、設定アプリ→[一般]→[Siri]→[Siri]で無効にできます。
Siriをオフにする。
しかし、Siriを無効にしている場合でも、音声による電話発信手段がまだ残されています。「音声コントロール」機能による発信です。ホームボタンを長押しすると起動する音声コントロールでは、「◯◯に電話」などと音声入力すると、ロック中でもロック解除時でも一発で電話の発信が開始されます。
音声コントロールから電話をかけられる。
しかも、音声コントロールには機能全体を完全に無効化する方法が用意されていません。
そこで、意図しない電話発信の対策として重要なのが、音声ダイヤル機能をオフにしておくことです。Siri無効時、音声ダイヤル機能も無効にしておくと、少なくともロック中の音声による電話発信を禁止できます。
音声ダイヤル機能は、設定アプリ→[Touch IDとパスコード]→[音声ダイヤル]でオフにできます。
音声ダイヤルをオフにする。
音声ダイヤルを無効化しておくと、音声で電話を発信しようとしても「音声ダイヤルは無効になっています」との音声ガイダンスが流れるようになります。マナーモードは無視されます。ボリュームキーで音声ガイダンスの音量を調整することは可能です。
注意点
音声ダイヤル機能をオフにしても、ロック解除中だと音声コントロールによる電話発信をおこなえます。音声ダイヤルのオン・オフは、あくまでもロック中の振る舞いを制御できるに過ぎません。
なお、ロック解除中の誤操作を防ぐため、後述のようにしてロック解除のハードルを上げておくべきです。
Siriを無効にすべきか否か
ここで考えておきたいのは、Siriを無効にした方が勝手な電話発信をより効果的に防止できるのか、という問題です。前述のとおり、Siriを無効にしても代替となる音声コントロール機能を完全に無効化することはできません。よって、音声による電話発信を100%禁止することはできず、「Siriを無効にすればOK」と安易に考えるのは却って危ないわけです。
Siriの有効・無効問わず、ロック中の誤作動による電話発信は防止できる。
上図は、ここまでで解説した機能制限を全て実施した上でSiri機能の有無による電話発信にどのような違いが出てくるのかを、ロック中とロック解除中とに分けて図示したものです。図を簡単にするため、Siri有効時のロック中の部分では、ロック中の起動を禁止したパターンのみを掲載しています(前述のように音声ダイヤルをオフにするパターンもあり)。
図から分かるとおり、Siriが有効である場合、ロック中は発信不可、ロック解除中は発信可にできます。また、Siriが無効の場合も音声ダイヤルを無効化しているため、ロック中は発信不可、ロック解除中は発信可にできます。
しかも、Hey Siriの無効化によって、音声入力フェーズに入るための方法もホームボタンの長押しのみで共通しています。その結果、意図しない音声入力で電話を発信してしまうのは、ロック解除中にホームボタンを長押しした状態で音声を入力した場合に限定されています。
したがって、音声による勝手な電話発信の防止という観点からは、Siriを有効のままにしようが、無効にしようが、特に効果に変わりはないことになります。
原因2:ロックしていないときの誤操作
Siriや音声コントロールによる電話発信だけでなく、単なる誤操作によって発信してしまっていたケースも十分にありえます。ロック解除中の誤操作を減らすためには、操作時以外はロックがかかる(パスコードを要求される)状態にしておくことが望ましいところです。
この点、Touch IDという指紋認証機能の導入により、iPhoneのロック画面解除は容易になり手間がかからなくなりました。ロック画面解除にTouch IDを使用すると、パスコード入力を要求されるまでの時間が[即時]のみに設定されます。
他方、Touch ID未使用時だと、パスコードを要求するまでの時間は複数の時間から選べます(設定アプリ→[Touch IDとパスコード]→[パスコードを要求])。ここでも[即時]に設定しておけば、画面消灯後すぐにロックがかかるようになり、誤って操作してしまう回数を大きく減らせます。
[即時]が最も安全。
原因3:子どもが勝手に操作
幼い子どもがいる家庭だと、あの無邪気な動物たちが親のiPhoneを勝手に操作してしまう"事故"が多発します。
こういった事態を未然に防ぐためにも、iPhoneはしっかりとTouch IDないしパスコードでロックするようにしておきましょう。