国内最大級の甕棺墓発見 春日・須玖岡本遺跡 [福岡県]

須玖岡本遺跡で発見された甕棺。左側に銅剣が見える(福岡県春日市教育委員会提供)
須玖岡本遺跡で発見された甕棺。左側に銅剣が見える(福岡県春日市教育委員会提供)
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 福岡県春日市教育委員会は17日、同市岡本の須玖(すぐ)岡本遺跡(国指定史跡)で国内最大級の甕棺墓(かめかんぼ)が見つかり、紀元前150年頃(弥生時代中期前半)の銅剣と青銅製の柄飾り「把頭飾(はとうしょく)」が出土したと発表した。最新の科学調査で、遺物の周りに大量の布があった痕跡も確認された。当時の埋葬・副葬の方法を知る手掛かりになりそうだ。

 市教委は九州歴史資料館(同県小郡市)などの協力を得て、発掘現場で3次元計測を重ね、遺構を立体的に把握。遺物を周囲に付着した土壌ごと冷凍して取り上げた。銅剣は長さ42センチ、幅5センチ前後。把頭飾は長さ4・5センチ、幅5・5センチ前後と推定される。

 遺物の周りでは、絹織物や木製品とみられる有機物の痕跡、水銀朱を確認した。調査に立ち会った国学院大の柳田康雄客員教授(東アジア考古学)は「(銅剣と把頭飾をつなぐ)木製柄があったことは明らか。多数の布類も折り重なっていた」と話す。副葬時に布を巻いたり、敷いたりした可能性があるという。

 須玖岡本遺跡は、古代中国の史書「魏志倭人伝」に登場する奴国(なこく)の王都があったとされる須玖遺跡群の中核。奴国のエリアで把頭飾が出土するのは初めて。

 新たな甕棺墓は、史跡指定地の整備を目的とした遺構確認調査で見つかった。墓壙(ぼこう)は縦5・2メートル、横3・9メートルで国内最大級。「極めて身分が高い人物」(市教委)を埋葬したとみられ、後の王墓につながる遺構と考えられるという。

=2016/06/17 西日本新聞=

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