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女性入所者1人を20年間閉じ込め

7年と3年の人も 「異食行為」防止を理由に

 障害者支援施設の鳥取県立鹿野かちみ園(鳥取市鹿野町今市)で、知的障害のある40〜60代の女性入所者3人が20〜3年にわたり1日14〜6時間半、居室を外部から施錠されていたことが15日、分かった。県は虐待にあたると判断し、経緯や背景などについて施設側から報告を求める。

     施設を運営する社会福祉法人・県厚生事業団と、調査した県が発表した。

     発表などによると、60代の女性は、他の利用者の小物雑貨などを食べる「異食行為」を防ぐとして約20年にわたり、訓練や食事などの時間を除く1日10時間施錠されていた。

     また、40代の女性は他人に暴力を振るったことを理由に約7年間、1日14時間施錠されていた。暴力はここ数年落ち着いていたが、閉じ込め行為は続けられていた。別の40代女性も同様の理由で約3年間、1日6時間半施錠されていたという。

     3人の家族からは、入所時や3カ月に1度、施錠に同意を得ていたと説明している。

     5月10日に県東部福祉保健事務所(鳥取市)に通報があり、障害者虐待防止法に基づき鳥取市と共同で調査していた。

     県厚生事業団の山本光範理事長は「利用者と保護者の方に多大な不安と迷惑をかけ、おわび申し上げます」と謝罪した。再発防止のため職員研修を今後実施するという。

     県立鹿野かちみ園は1966年開設で、現在は知的障害者ら約70人が利用している。県厚生事業団は近くにある「鹿野第二かちみ園」も運営している。

     橘文也・日本知的障害者福祉協会長は「家族の同意を得ても正当化できず、障害者本人の基本的人権は守らねばならない。障害者の支援に難しい問題が生じた際には、施設内で問題を抱え込まず他機関と連携して解決すべきだ」と話した。【高嶋将之、小野まなみ、山下貴史】

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