トップ > 石川 > 5月31日の記事一覧 > 記事

ここから本文

石川

ネット漫画で「ごいた」発信 保存会大阪支部の中瀬さん

(左)「作品を通じてごいたの魅力を伝えたい」と話す中瀬麻衣さん=能登町内で(右)「ごいたのヨシフ」の一場面=中瀬さん提供

写真

 能登町宇出津発祥の伝統娯楽「ごいた」が、漫画となって全国に発信されている。能登ごいた保存会大阪支部のメンバーで、漫画家の中瀬麻衣さん(32)=大阪市=がインターネット上で発表している「ごいたのヨシフ」。愛好家からの注目も集まっており、中瀬さんは「作品を通じてごいたの面白さ、奥深さを伝えたい」と意気込む。(志村拓)

 ごいたは、江戸時代末期ごろから宇出津の漁師の間で親しまれてきた町無形民俗文化財の四人制ゲーム。王や角など将棋に似た八種類計三十二枚の駒を出し、上がる早さとペアの合計得点を競う。中瀬さんは大阪市内のボードゲームショップで働き、一年ほど前にごいたと出合った。

 ごいたのヨシフは、主人公の田中ヨシフが高校の入学式当日に一枚の駒を拾ったのをきっかけに、同じく初心者の仲間たちとごいたに打ち込んでいく物語。今年三月に連載が始まり、数日おきに最新話が公開される。

 作中では、ごいた経験者の登場人物が「ペア同士が対面に座す。互いの意思を、言葉を使わず探り合わせる」と、作者が感じた魅力を代弁。サイト上では遊び方も紹介している。

 今月には「ごいた都道府県対抗交流大会」に出場し、初めて宇出津を訪れてベテランの打ち手とも交流した中瀬さん。主人公たちが宇出津に足を運ぶ構想もあるという。「宇出津の素晴らしさと、漫画の面白さの両方を表現できる展開を考えたい」と笑顔で話した。

 能登ごいた保存会の洲崎一男会長(71)は「漫画のテーマに、ごいたが選ばれたのはうれしいこと。書籍化されるくらい素晴らしい作品になってほしい」とエールを送った。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索