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Category : 未分類
産経の野口裕之さんが「ドイツが日本の中国侵略に協力しなかったから、反日」と述べている。「野口裕之の軍事情勢」「ドイツは日独伊三国同盟締結後も密かに中国を支援し続けた その『裏切りのDNA』は今もなお…」がそれだ。
そして、例によっていろいろとオカシイ。
■ 時系列がオカシイ
まず、野口さんは時系列がオカシイ。「三国同盟の同盟国なのに」と文句をつけているが、その対象が同盟成立以前の出来事にしている点だ。
日独防共協定はソ連を牽制するための条約である。中国問題には一切触れていない。それをするとドイツの中国権益が失われるためだ。だから、協定成立以降も従前どおりに中国を支援したからといって文句をつける筋合いではない。
そしてドイツは同盟以降は中国を切り捨てている。中国の市場や各種の権益を切り捨てて日本側に接近している。その点で文句をつける筋合いはない。
■ 天安門事件もオカシイ
そして、天安門事件での制裁についても、経緯を無視した主張になっている。天安門事件で最初に対中制裁解除を働きかけたのは日本である。だが、それを無視してドイツ以下が対中武器禁輸解除に走ることに文句をつけている。
この点も、野口さんの主張と経緯の平仄が合っていないものだ。逆に「人権無視国家の中国に対し、欧米の頭越しに制裁解除をしたのはどこの国だ」と言われたらどうするのだろうか?
■ 中国侵略に協力しなかった国は、反日
野口さんの主張で最もオカシイ点は、「中国侵略に協力しなかった」罪を作り、しかもドイツだけを問題視する点だ。
野口さんはドイツ軍事援助だけを取り出して批判している。
それならば、中国を援助した米英ソ他の諸国もすべて「反日」ではないのか。民国を支えたのはドイツだけではなく、米英ソ仏も含まれる。そしてこれらの国も宣言はしないものの中立といった立場をとっていた。野口さんが、中国を対象としない防共協定程度でドイツを『裏切り』というなら、これらの国、特に英米も「反日」というべきだろう。「中立的立場を装いながらも、中国を援助した」ためだ。
そもそも、その根底には「中国侵略に協力しなかった国だから、裏切り者の反日国家」といった発想の構造がある。
これは日本国内のアレ新聞だから問題視されない主張であり、まず一流紙なら許されないものだ。ある意味、野口さんは産経の記者でヨカッタねといったあたりか。
----オマケ---
■ ゾロアスター的世界観
まー、野口さんの世界観は善悪二元論だよねと。日本の味方の親日と中韓の味方の反日にわけ、その構図に則って善悪を論ずるわけだ。
世界はゾロアスター的にできている。光の国である日本と、それに反対する闇の勢力でできており、互いに戦っている。日本に味方すれば全て善の親日、日本の敵に味方すれば悪の反日といったものだ。
だから、現実の世界情勢が変われば親日・反日はいくらでも入れ替わる。タイやインドが中国と結べば野口さんは反日や裏切りと言い出す。逆に事情が変わり、別の大国に対し中韓と日本が協力的な立場となれば、中・韓は善の親日国家とか言い出すのではあるまいかね。
そして、例によっていろいろとオカシイ。
■ 時系列がオカシイ
まず、野口さんは時系列がオカシイ。「三国同盟の同盟国なのに」と文句をつけているが、その対象が同盟成立以前の出来事にしている点だ。
1936年に(対ソ)日独防共協定を結びながら、対中武器輸出を密かに継続。密輸は、37年の中ソ不可侵条約で態度を硬化させたヒトラーが新たな兵器輸出を禁じるまで続く。それでも受注済み兵器は契約通り輸出され、完全な禁輸・顧問団撤退はドイツが満州国を承認した38年。
http://www.sankei.com/premium/news/160606/prm1606060005-n5.html
日独防共協定はソ連を牽制するための条約である。中国問題には一切触れていない。それをするとドイツの中国権益が失われるためだ。だから、協定成立以降も従前どおりに中国を支援したからといって文句をつける筋合いではない。
そしてドイツは同盟以降は中国を切り捨てている。中国の市場や各種の権益を切り捨てて日本側に接近している。その点で文句をつける筋合いはない。
■ 天安門事件もオカシイ
そして、天安門事件での制裁についても、経緯を無視した主張になっている。天安門事件で最初に対中制裁解除を働きかけたのは日本である。だが、それを無視してドイツ以下が対中武器禁輸解除に走ることに文句をつけている。
天安門事件(1989年)を契機にEU(欧州連合)は対中武器禁輸を続けているが、日本の頭ごなしに解禁する悪夢は絶対に阻止せねばならない。
http://www.sankei.com/premium/news/160606/prm1606060005-n6.html
この点も、野口さんの主張と経緯の平仄が合っていないものだ。逆に「人権無視国家の中国に対し、欧米の頭越しに制裁解除をしたのはどこの国だ」と言われたらどうするのだろうか?
■ 中国侵略に協力しなかった国は、反日
野口さんの主張で最もオカシイ点は、「中国侵略に協力しなかった」罪を作り、しかもドイツだけを問題視する点だ。
野口さんはドイツ軍事援助だけを取り出して批判している。
中国・国民党は満州事変(1931~33年)後、独ワイマール共和国や続くナチス政権に接近。軍事用鉱物資源獲得の狙いもあり結局、ドイツは1927~38年まで軍事顧問団を送り続けた。
[中略]
国民党の蒋介石前国民政府主席(当時/1887~1975年)に、大規模・低練度だった国民党軍の装備や機動性の向上を具申した。
[中略]
方針に沿い、8割が非近代兵器だった国民党軍に鉄帽/小銃/各種大砲をはじめ戦車や戦闘機まで輸出。ドイツで教育した中国人技術者運営の各種工廠では双眼鏡/狙撃銃用照準/小銃/機関銃/迫撃砲/装甲偵察車両/大砲/ガスマスクを生産した。
http://www.sankei.com/premium/news/160606/prm1606060005-n4.html
それならば、中国を援助した米英ソ他の諸国もすべて「反日」ではないのか。民国を支えたのはドイツだけではなく、米英ソ仏も含まれる。そしてこれらの国も宣言はしないものの中立といった立場をとっていた。野口さんが、中国を対象としない防共協定程度でドイツを『裏切り』というなら、これらの国、特に英米も「反日」というべきだろう。「中立的立場を装いながらも、中国を援助した」ためだ。
そもそも、その根底には「中国侵略に協力しなかった国だから、裏切り者の反日国家」といった発想の構造がある。
これは日本国内のアレ新聞だから問題視されない主張であり、まず一流紙なら許されないものだ。ある意味、野口さんは産経の記者でヨカッタねといったあたりか。
----オマケ---
■ ゾロアスター的世界観
まー、野口さんの世界観は善悪二元論だよねと。日本の味方の親日と中韓の味方の反日にわけ、その構図に則って善悪を論ずるわけだ。
世界はゾロアスター的にできている。光の国である日本と、それに反対する闇の勢力でできており、互いに戦っている。日本に味方すれば全て善の親日、日本の敵に味方すれば悪の反日といったものだ。
だから、現実の世界情勢が変われば親日・反日はいくらでも入れ替わる。タイやインドが中国と結べば野口さんは反日や裏切りと言い出す。逆に事情が変わり、別の大国に対し中韓と日本が協力的な立場となれば、中・韓は善の親日国家とか言い出すのではあるまいかね。
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