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燃費試験「国際基準」…不正防止、18年採用へ

 国土交通省が、自動車の排ガスと燃費性能を測定する試験方法として、国連が定める国際基準を2018年に採用する方針であることが分かった。三菱自動車の燃費データ不正では、日本の道路運送車両法が定める試験ではない、米国方式に近い手法を用いたことが違法として問題となった。国際基準の採用が世界で広がれば、三菱自のような問題は起きにくくなる。メーカーの開発コストが抑えられ、「消費者が自動車をより安価に購入できる」(国交省)可能性もある。

 三菱自は、軽自動車4車種の燃費を良く見せるようにデータを改ざんしたこととともに、1991年から日本の法令に従わず米国方式に近い試験方法をとった違法行為が問題となった。各国・地域の燃費試験の方法が共通化すれば、そうした違法行為の可能性は減る。国際基準を導入した国・地域への出荷に必要なデータ取得が1度で済むのもメーカーのメリットだ。

 排ガスと燃費試験の国際基準は国連の作業部会で14年3月に成立。日本と欧州連合(EU)が導入に向けた準備を進めており、インドなど新興国も採用する方向だ。国交省は年内に法令整備を終え、18年に国際基準に統一。20年ごろまでは現行の試験方法と国際基準による数値がカタログに併記されることになる。

 日本は現在、08年に導入した試験方法「JC08モード」を採用。ただ、エンジンが温まった状態でのスタートが可能なことなどにより燃費性能の数値が良く出る傾向にある。国際基準はエンジンが冷えた状態からスタートし、平均時速も24キロから36キロに上がるなど現実の走行に近づくため「日本の現行方式より燃費性能が低く出る傾向にあり、実際の燃費に近くなる」(国交省)という。【川口雅浩】

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