「核兵器のない世界追求」オバマ氏訴え
オバマ米大統領は27日、広島市の平和記念公園を訪問し、安倍晋三首相とともに原爆慰霊碑に献花した。1945年8月に米国が広島、長崎に原爆を投下して以来、現職の米大統領が被爆地を訪れたのは初めて。献花後にオバマ氏は所感を発表し、原爆の犠牲者だけでなく、第二次世界大戦で亡くなったすべての人々を追悼。また、米国を含む核保有国について「核兵器のない世界を追求する勇気を持たねばならない」と訴えた。
式典に招待された日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の坪井直(すなお)さん(91)ら被爆者とも言葉を交わした。
所感の中でオバマ氏は、初めて被爆地を訪れる意義について「原爆が落とされた瞬間」だけでなく「恐るべき戦争で殺されたすべての罪なき人々のことに思いをはせる」ためだと指摘した。
また「45年8月6日朝の記憶は決して消え去ることはない」と述べたうえで、かつて戦火を交えた日米両国が「同盟だけでなく、友情を育んできた」と、過去を乗り越える必要性を強調した。
一方で、原爆投下の判断についての是非論や謝罪には触れなかった。戦争終結に必要だったとして原爆投下を正当化する意見が根強い米国世論に配慮した。
オバマ氏に続いて所感を述べた安倍首相は「米国の大統領が被爆の実相に触れ、核兵器のない世界への決意を新たにした。核なき世界を信じてやまない世界中の人々に大きな希望を与えてくれた」と、オバマ氏の広島訪問を歓迎した。
オバマ氏は三重県で開かれていた主要7カ国首脳会議(伊勢志摩サミット)の閉幕後、広島入り。平和記念公園では原爆資料館を見学し、記帳した。
核保有国の現職首脳が広島を訪れたのは史上初めて。1時間足らずの歴史的な被爆地訪問を終えオバマ氏は、岩国基地から帰国の途に就いた。【西田進一郎、竹内麻子】