テロ容疑者の弟、五輪出場有力に…テコンドー
【ブリュッセル八田浩輔】今年3月のベルギー同時テロで自爆したナジム・ラーシュラウィ容疑者の弟ムラドさん(21)が、スイスで行われたテコンドー欧州選手権男子54キロ級を制し、ベルギー代表としてリオデジャネイロ五輪の出場が有力視されている。
ムラドさんは過去にも国際大会で入賞経験がある。テロ後には記者会見を開き、ナジム容疑者がシリアに渡航した2013年以降連絡を取っていないと説明。沈痛な表情で「信じたくない」としながらも兄を強く非難し、「家族は選べない」などと述べていた。
ナジム容疑者はモロッコで生まれ、ブリュッセル郊外で育った。工学系専門学校に進学後に過激思想に傾倒し、シリアで過激派組織「イスラム国」(IS)に参加。昨年11月のパリ同時テロでも爆弾の製造役を担ったとされ、ブリュッセル国際空港で自爆した。