民進「男尊女卑政権」と批判
16日の衆院予算委員会で、待機児童問題を巡る野党と政府与党の対立が再燃した。ベテラン保育士の待遇改善の賃上げ目標を「全産業の女性労働者(平均)との差」の月額4万円程度とした塩崎恭久厚生労働相に、民進党の山尾志桜里政調会長が「保育は女性の仕事なのか。男女の賃金格差を認めるのか」と反発。「女性活躍どころか男尊女卑政権だ」と批判すると、首相は「誹謗(ひぼう)中傷だ」と厳しい口調で反論した。
保育士の待遇改善では、3月下旬に野党側が月額5万円引き上げの法案を提出し、政府は来年度からの月額2%(約6000円)引き上げや、ベテランの月額4万円引き上げ方針を示す。山尾氏が野党法案の審議に応じない与党を「審議拒否だ」と批判すると、首相は「国会で決めること」としつつ、「民主党政権では処遇改善は行われていない」と反論した。与党は質疑後に男尊女卑発言の撤回を求めたが、山尾氏は応じない考えだ。
予算委開会前の理事会では山尾氏が用意したパネルでも攻防があり、野党法案への与党対応を「審議せず」「反対」と記した部分を与党が「事実と違う」と指摘し、山尾氏は一部をペンで黒塗りして質問に立った。【松本晃】