フェティッシュの火曜日
2016年5月17日
新宿駅はめちゃくちゃである。
記憶に残る限りずっと改築中だし、生き物のように通路や出口が変わる。ものすごく新しいビルができたと思えば、昔からかわらない景色もある。 めちゃくちゃでおもしろい。 新宿通を自負するふたりで新宿駅周辺のどうしてこうなったという場所を堪能してきた。 > 個人サイト webやぎの目 同級生の田村圭介くんと歩きます今回一緒に歩くのは、昭和女子大学准教授の田村圭介さんである。3月に「新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか」 という本を出版した。
だが今回は田村さんをくん付けで呼びたい。なぜなら同じ学校の同級生だからだ。 左から、林、田村くん、田村くんの本を編集した石塚さん(SBクリエイティブ)。 全員同じ学校の同級生。
僕は3年前、デイリーポータルZの企画で渋谷駅の立体の地図を作った。
ダンボール製 「ダンボールで渋谷駅の地下地図を作る」より
このときにどこかの大学の先生がやっぱり渋谷駅の立体地図を作っているという話を聞いた。世の中には似たような人がいるのだなと思っていたのだが、それが田村くんだった。
田村くん作・硬そう
そのときは同級生とは知らなかったのだが、今回知って震撼した。
世の中に渋谷駅の地下の模型を作ったひとがふたりいて、同じ1987年から1989年のあいだに都立西高校という学校に通っていたのだ。 きっと学校で「卒業して25年経ったら渋谷駅の模型を作れ」という催眠術をかけられたに違いない。記憶を消されて憶えてないけど。 そのふたりが新宿のおれだけがいいと思ってるスポット、マイ秘境を紹介することにした。待ち合わせは新宿の目である。 田村「これ作ったの、宮下芳子さんというシュールレアリズムのアーティストなんだよ。」 いきなりいいこと聞いた。昔からあるから気にしなかったけど、言われてみれば前衛である。 1・新宿駅には隠れた滝がある(林)目からすぐのマイ秘境は新宿駅西口の滝である。ほとんど見えない場所にあるのだ。
中央の岩場のようなところに滝がある
西口地下のロータリーの奥にあって正面からはほとんど見ることができない。横からだとかろうじて見える。幻の滝である。
上から見ると、まんなかのスロープが別れるところ…
ここ!
かつて手前の植え込みに水があったのでその名残かと思っていたが
「これねえ最近なんだよ。」と田村くん。 たしかに建設事務所のページを見ると平成23年(2011年)にリニューアルして設置したと書いてある。 昔は目立つところにあって徐々に目立たなくなった、ということではないのだ。最初から見えにくい場所に作った。まさに秘境。 ちなみにかつてロータリーに池があったために、少なからず地下広場は冷やされていたにちがいない。と田村くん。 田村くんは建築が本業なので詳しい。 この滝もそうなんだろうか。 2 京王線には1時間50分しか開かない幻の改札がある(田村)7時10分から9時までのあいだだけ開く出口専用の改札があるのだ。京王線乗り場に通じる細い通路、C&Cカレーの向かいである。
昼はこのように花屋にしか見えないのだが
朝はこの通り!
花屋に擬態しているようすは隠し扉と言っていいレベルである。僕も本を読むまでここに出口があることに気づかなかった。
改札口の入り口は花屋の花壇も一緒にまわる回転扉だと最高なのだが、シャッターだった。 ちなみに向かいにあるC&Cは本店である。 コネタ・JR改札上の通路にある手すりが親切
絶妙なカーブでコインロッカーにつながる
|
|
▲デイリーポータルZトップへ |