「ゆとり部下」に泣かされる人は、何が問題か
指導の方向性を誤ると自分も組織も疲弊する
人気脚本家・宮藤官九郎さんが手掛けた最新作ドラマ『ゆとりですがなにか(日本テレビ系 毎週日曜夜10時半放送)をご存じでしょうか。日曜遅めの時間帯にしては好視聴率を獲得しており、幅広い世代から注目されていることがうかがえます。
本作品の主要テーマは、「ゆとり世代には、ゆとり世代なりの悩みがある」。背景にあるのは間違いなく、職場における若手層と中堅層、そして管理職層とのコミュニケーションギャップの問題でしょう。
そこで今回は、「ゆとり世代」と呼ばれる若者を部下に持ち、日々世代間ギャップに悩む管理職の多さに着目し、そのギャップを埋める解決方法をアンガーマネジメント的に検討してみます。
「ゆとり世代」の中にも世代間ギャップがある
そもそも、ゆとり世代に明確な定義はありません。ドラマでは、1987年(昭和62年)生まれを「ゆとり第一世代」とし、2002年からの改正教育(週休2日、絶対評価制などを導入)を受けてきた者たちとしています。「円周率を3として計算する」「運動会の徒競走では手をつないで皆でゴールイン」などがよく引き合いに出されますね。
また、「努力したってムダ」と結果を悟り、高望みをしない若者のことは「さとり世代」と呼ばれています。こちらはゆとり世代の中でも、おおむね1990年代以降生まれのことを指すようです。
ドラマでは、仕事をなめきっている新人を29歳の主人公(ゆとり第一世代)が強い口調で叱責したところ、その新人が翌朝上司にLINEで退職を連絡、後日労働組合員と弁護士を引き連れて来社し、主人公やそのほかの上司を怒鳴り、罵るというところまで進んでいます。
23歳と29歳。ゆとり世代という言葉で一括りにすることはできますが、彼らの間にも確実にジェネレーションギャップがあるのですね。