世界の高校生が科学技術の研究成果を競うインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)の表彰式が13日、米アリゾナ州フェニックスであり、千葉市立千葉高3年の市毛貴大さんが機械工学部門の最優秀賞に選ばれた。日本人の部門最優秀賞の受賞は3年ぶり2人目。ほかに3人が入賞した。

 部門最優秀賞から選ばれる「インテル財団文化・科学中国訪問賞」も日本人で初の受賞となった。市毛さんは昨年の同部門でも4等に入賞しており、連続受賞も日本人初となった。

 発表したテーマはプリンターなどに使われるステッピングモーターの省電力化について。「昨年より進化させているが、受賞の自信はなかった。モーターの省電力化をシンプルにできたのがよかったと思う」と語った。

 2等には3人が選ばれた。米子工業高専4年の前田千澄さんと3年の山村萌衣さんがエネルギー・化学部門。横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校の藁科友朗さん(現・慶応大1年)が細胞・分子生物学部門でそれぞれ選ばれた。

 前田さんと山村さんの研究は、普段は廃棄されている野菜の皮や卵の殻の薄膜といった天然薄膜を燃料電池に用いるものだ。前田さんは「昨年一緒に出場した先輩に早く伝えたい」。山村さんは「指導していただいた先生に感謝したい」と喜びを語った。

 藁科さんはカイコの繭から抽出した物質を別の素材に応用する研究で、「周りのブースの人たちの研究レベルが高くて、自分は選ばれると思っていなかった。本当にうれしい」と述べた。

 ISEFには昨年12月にあった「高校生科学技術チャレンジ(JSEC)」(朝日新聞社、テレビ朝日主催)の上位入賞者ら日本代表27人を含め、77の国と地域から1760人が参加した。