この度の熊本・大分地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
本記事は、フリーランスの方々へ『復興支援』と『納税』について深く考えていただく機会になればと作成しました。
2016年4月14日及び16日に熊本地方を震源とした震度7の地震。
今なお余震が続き、多くの方々が避難所生活を余儀なくされています。
一日も早く、平穏な日々が戻ることを願うと共に、ほかに力になれることはないだろうかと考える方も多いことでしょう。
復興ボランティアや支援物資・義援金も大切なアクションですが、ここではあまり取り上げられることのない、『ふるさと納税』を取り上げ、フリーランスの皆さまに復興支援と税の使いみちについて考える時間を作っていただければと思っています。
納めた税の使い道を考える
上述した通り、一般的な被災地への支援は物やお金やボランティアによる人の力が中心かと思います。2011年の東日本大震災では、被災地の生産商品の積極的な消費なども注目されました。
今回テーマに掲げた『ふるさと納税』は、新しい支援方法となるかもしれません。
ここでは、
- ふるさと納税とは?
- ふるさと納税が創設された目的
- 税の使い道を納税者が考える
について、掘り下げていきたいと思います。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、ご自身が住んでいる街ではなく、生まれ育った故郷や縁のある地域、興味関心のある地域に対し、寄附を行うことを指します。
名前は『納税』ですが、扱いは『寄附』となります。
ふるさと納税最大の特徴は、寄附の総額から2,000円を差し引いた金額が、所得税や住民税から控除される点にあります。(所得に応じた控除上限があります。)
非常に簡単に説明しますと、所得税と住民税で年間10万円を納めている方が、ふるさと納税制度で1万円を寄附すると、8,000円が控除され、納税額は92,000円になります。
100,000円-(10,000円-2,000円)=92,000円
より詳しい説明は、フリーランス確定申告の味方!ふるさと納税をやってみようをご覧ください。
ふるさと納税が創設された目的
この制度が創設された背景には、3つの目的(意義)があるとされています。
- 税の使い道を考える
- 思いのある地域に貢献できる
- 自治体が選ばれる納税先になるよう努力する
1では、納税者が『自分の税はどのように使われるのだろうか』を考えることを目的としています。納税は国民の義務ですが、納める税の使われ方に無関心ではなく、興味関心を持つことは行政への参加の形かもしれません。
2では、『どの地域に寄附を行うか』を考え、選択することを指しています。生まれ育った故郷に寄附するのも一つでしょう。親、親族の住む地域を選ぶのも一つでしょう。
住んだことも、訪れたことがない地域であっても、『応援したい』や『取り組みに賛同した』と考える地域を選ぶことも可能です。
3は行政側への注文ともとれます。寄附を増したい自治体は、地域の特色を発信していくことや地域の抱える課題と実現したい未来像(解決後の姿)を広く伝えることで賛同者を募ることが重要となります。
税の使い道を納税者が考える
多くの自治体では、納税者(寄附者)が税の使い道を決めることが出来る形態をとっています。
実際の多くの自治体が提示している税の使い道(寄附を役立てる事業)について、いくつかの例を挙げてみます。
・自然保護、環境保全
森林の整備や植樹、綺麗な河の保全など自然環境に関わる事業を用途としたものがあります。
・伝統や文化の保護
地域の伝統芸能や祭りの保護など、歴史ある文化を後世に残すための活動などもこれにあたります。
・医療の拡充
医療施設の充実や予防医療に街が一体となり取り組む事業などがあります。
・地場産業の発展促進
地域特産品のPRや新しい産業の開発などにあてられます。
・教育や子育て支援
子育て環境の整備、体験型学習の充実、子供の遊び場の整備といった事業などがあります。
・スポーツ振興
球技場や競技場の整備、スポーツ大会の開催事業などがあります。
ここまでに挙げたものは一例であり、選択できる事業の種類は市区町村により異なるため、『使い道』は無数にあります。
また東日本大震災以降、『震災復興事業』への寄附に関心が集まっています。
あなたの納める税金を、
- どこで
- どの事業に
活用して欲しいか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
いつ、ふるさと納税をするべきか
ふるさと納税は、1~12月の自由な時期に行うことが出来ます。
しかし今年に限っては、熊本・大分エリアへのふるさと納税を考えた際には、時期を考える必要があるでしょう。
多くの自治体では、寄附者に対し特産品等のお礼を送っています。地震に伴う道路の寸断や交通機関の乱れ、生産者や販売者が被災されたケースでは、この発送が当初予定通りに行えないエリアも多いことが現状です。
この現状における解決策として、
- 今すぐではなく、状況が落ち着くのを待つ
- 特産品などのお礼を辞退する
- 熊本へのふるさと納税を代理受付する自治体へ寄附する
が挙げられます。
落ち着くのを待つ
フリーランスの方々は、1月~12月の売上・経費・所得を翌年3月中旬ごろまでに確定申告されるかと思います。
今年2016年の12月までに行ったふるさと納税による控除は、所得税の場合で2017年春頃の還付で、住民税は2017年の6月中頃に届く 住民税通知書で確認できます。
つまり、今すぐふるさと納税をしても年内でしても寄附控除の時期は変わりません。
被災地の状況に関心を持ち、適切な時期を待つことも一つの選択肢かと思います。
お礼を辞退する
現在では、熊本県をはじめとし多くの自治体がクレジットカードでの寄附と銀行振込での寄附に対応しています。
このため、お礼の品を辞退さえすれば、現地への負担は事務処理が残りますが小さいと言えるでしょう。
熊本と言えば、果物の晩白柚やデコポン、馬肉(馬刺し)等が有名です。ふるさと納税者へのお礼でもこれらは人気の品ですが、今年はお礼辞退を考えても良いでしょう。
代理受付する自治体へ
熊本県や県内市区町村へのふるさと納税を代理受付している自治体があります。
一例として『福井県』が挙げられます。
福井県は『熊本県の災害支援寄付』を受け付けています。ふるさと納税を行うことでの領収証明書は福井県が発行してくれるため、熊本県の事務処理を心配せずに寄附が行えます。
当然ながら、お礼等はつかないふるさと納税となります。
あなたはどうすべきと考えますか?
ここまで熊本へのふるさと納税について見てきました。
ここ数年でふるさと納税が広く認知され、制度が意図しない『お礼(特産品)合戦』は本質から逸脱しているとの指摘もあります。
地域の名産品・特産品、観光地をPRしたり、地域理解を深めてもらう目的での返礼品を限度とすべきといった『ある程度容認論』や見返りは一律なしとすべきといった『返礼禁止論』を唱える方々もいます。
本記事は、いずれかの考えや意見を肯定・否定するものではなく、ふるさと納税制度の本来の目的や被災地へ納税を行うという一つの選択肢を情報提供し、読者の皆さまが被災地支援と納税について、深く考えるきっかけになることを望んでいます。
