ハマスが不倶戴天の敵と同盟を組んだワケ


佐々木伸 (ささき・しん)  星槎大学客員教授

共同通信社客員論説委員。ベイルートやカイロ支局長を経て外信部副部長、ニュースセンター長、編集局長などを歴任。

WEDGE REPORT

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パレスチナ自治区ガザのイスラム原理主義組織ハマスが不倶戴天の敵であるイスラエルとの間で、過激派組織「イスラム国」(IS)の浸透を食い止めるため“あり得ない同盟”を組んでいる。エジプトの圧力に応じたものだが、「敵の敵は味方」という中東独特の論理が浮き彫りになった格好だ。

300人以上を配備

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 ベイルート筋や米有力紙などによると、ハマスは先週、エジプトとの境界沿いに精鋭の治安部隊300人以上を配備した。1部隊は海岸地帯を厳戒、他の2部隊はエジプトとの2カ所の境界検問所一帯に展開している。

 とりわけ、エジプトとガザの境界下に掘られている無数の密輸トンネルの出入り口はエジプトのIS分派「シナイ州」の工作員の侵入を阻むため、戦闘態勢が取られているという。

 このハマスの動きは、イスラエルの求めを受けたエジプトのシシ政権からの要求に応じたものだとされる。ハマス、イスラエル、エジプトの3者がたとえ短期間であっても“同盟”を組むなど中東の専門家からすれば、想定できないような事態だ。「何が起きても不思議ではない」中東世界の複雑怪奇な政治ゲームを垣間見る気がする。

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佐々木伸(ささき・しん)

星槎大学客員教授

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