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わずか1分で新品同様 気分は新人

長年使い、表面の印字が薄くなったパスモ

 交通ICカード定期券を3カ月から1年間ごとに継続更新していくと、表面の印字が薄くなり、区間や名前が判読できなくなることがある。「この場合、どうしたらいい」といった書き込みもネットに多い。そこで登場するのが「券面再印字」だ。短時間で新品同様になると手続きを利用してみた。

 ICカード定期券に必要な情報はカード内に記録されており、日々の利用に困ることはない。しかし勤務先から定期券のコピーの提出を求められたり、落としてしまったりした時には、持ち主を判読するため印字面が必要になることも少なくない。

 カード表面の印字を濃くする「券面再印字」の手続きは、いたって簡単だ。各社の定期券販売窓口で薄くなったカードを見せ、印字を濃くしたい旨を伝えるだけだ。JR東日本のSuica(スイカ)は定期券エリア内の駅のみどりの窓口で、東京メトロをはじめ首都圏の私鉄各社が活用するPASMO(パスモ)は定期券発売所で対応している。都営交通は、定期券発売所以外に駅長事務室でも対応が可能だ。

 実際にパスモの再印字をやってみた。窓口で印字を濃くしてほしいと伝えてカードを渡すと、職員がそのままカードを機械に挿入した。印字情報が記載されたとも見られる紙が出力され、再びその紙を挿入するなどするうちに、再印字されたカードが出力された。この間、わずか1分ちょっとだった。

 しかし、戻ったカードを見ると以前と濃さがほとんど変わらず、がっかりだった。すかさず担当者が「新しいものに替えます」と話し、再びカードは機械へ吸い込まれていった。再び待つこと約1分。受け取った新しいカードは、鮮明な印字もさることながら、手触りもスベスベ、サラサラで驚いた。

 東京メトロによると、自動券売機でなく窓口で継続の手続きをすると印字が薄くならないという声もあるそうだ。窓口より自動券売機のほうが印字を行う頻度が高いため、汚れが残りやすいためという。

継続のままカードを新しく

 「券面再印字」は面倒だから新しいものにスパッと替えたい−−。そんな要望に対応してもらえるのだろうか。

 JR東日本は「お客さまの都合によるカード交換は承ります」とのこと。スイカのエリア内のみどりの窓口で申し出ると、その場でカードを交換してくれる。

 印字が薄いだけでなく、磁気を読み込まないなどカード自体に何らかの障害が出た場合も新しいカードになるが、再発行の申し込みが必要になる。申し込み後は該当カードの使用が停止され、新規カードは翌日以降の引き渡しとなる。この間は有人改札で「整理券番号票」と「障害カード」の券面を提示する。さらに「障害カード」の印字が不鮮明な場合は、定期券代用証が発行される。

 一方、パスモの場合は、基本的に「券面再印字」を繰り返して、それでも不鮮明の場合に「カード交換」となる。

 スイカもパスモもともに、旧カードのチャージ金額や履歴は引き継がれるが、気をつけたいのが定期券やチャージ以外に利用しているケースで、カードが新しくなると、カード裏面に記載されている番号が変更される。この番号を鍵に利用して、パスモやスイカが提供しているサービス以外で使っている場合は、サービス提供者に確認することが必要だ。東京メトロの窓口で新しいものに交換する際にも、同様の注意喚起があった。

注意したい「ピッ」と「ピピッ」

 ところで自動改札にICカード定期券をタッチすると鳴る「ピッ」と鳴る電子音。この音に留意していないと、定期券を利用したつもりが、実はチャージしたお金から引き落とされていたと、いう事態に陥ることもある。

 「ピー」は通行不可、「ピピピピピ」はICカードがうまく読み取れなかった場合。どちらもおなじみの音なので、勘違いはまずない。

 では「ピッ」と「ピピッ」の違いは? 定期券を利用した場合は「ピッ」という音で、チャージ引き落としの際は「ピピッ」と鳴る。定期の期限を忘れていたり、印面が薄くなり期限がわからなくなったりしていたら、数カ月もの間、チャージから引き落とされていた、なんてことにもなりかねない。

 ちなみにスイカもパスモも、希望すると定期券の有効期間が14日以内になったら「ピッピッ」、チャージ残額が1000円以下なら「ピピピッ」など、より細かく電子音で知らせてくれるサービスもある。【江刺弘子】

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