海外で流行っているサービスが日本でいまいち普及しない理由
プログロガーのタクスズキさんが、Medium Japanもっとがんばってほしい、マーケティングがイケてない、せっかくいいプロダクトなのにもったいないというようなことをおっしゃっていて、「ごもっとも」と思いつつ「外資あるある」だなぁ、と思ってしまいました。
海外でめちゃめちゃ流行ってるサービスが日本でシェアを取れず撤退するということはこれまでにも多々あったわけですが、その理由はわりとはっきりしていて、初期の外資系企業は社員であれ協力者であれ最重要視されるのが仕事の能力ではなく「語学力」だから。これに尽きると思います。
国内のネット業界で実績のある人とか、力量のあるWebマーケターを採用すればもっと簡単にスケールするのは明白なのですが、外資の場合はその前にビジネスレベルの語学力がないと話になりません。
これはもう、日本に上陸するすべての外資系企業が直面する共通の課題だと思います(ちなみに他のアジア諸国ではこれほど語学力が人の採用において壁になることはありません)。
あともう1つ、海外発のプロダクトが日本でスケールしづらい理由としては、マーケティングのやり方というか全体の「トンマナ」に統一感を出さないといけないという縛りがあることもあるんじゃないかと思います。
私自身、かつて海外のサービスを日本で売る法人を経営していましたが、「ここをもっとこうすれば10倍売れるのになぁ」と思うことがあったとしても、そのアイデアが本国に受け入れられることはほぼありませんでした。そういう役割は、一営業拠点でしかないブランチには求められていないからです。
グローバル展開では、企業イメージにせよ製品イメージにせよ、ある程度の統一感を出していかないといけないので仕方がないのですが、欧米とは言語も文化も大きく異る我が国では、中途半端なローカライズではユーザーに受け入れられない可能性が極めて高くなります。
この融通のきかなさが原因で、機能面で劣る国産の類似サービスに負けてしまう場合が少なくないのです。
Mediumの場合は日本法人が設立されているわけではないので当てはまるかわかりませんが、Medium Japanが翻訳者グループから始まっていることから考えても、まず何をおいても本社の人間と不自由なく意思疎通できる英語力ありき(マーケティング力やグロースハック力は二の次)であるのは間違いないかと思います。
私もMediumはいい具合にシンプルでいいサービスなので日本でも広がっていってほしいなぁと思っていますが、すでに「note」という国産競合サービスが伸びてきているので、かなり思い切った舵取りをしないとTumblrみたいな感じになってしまうのでは?と、危惧しています(Tumblrがダメというわけではないのですが)。