「ストックビジネス」と聞いて「ああ、ブログみたいな蓄積型のね」という印象しか持たないようでは、言葉の定義を正確に理解しているとはいえない。
《目次》
ストックビジネスの定義
- 継続的にお金が入る(上の「お金」とは利益や儲けのことを表す)
- 売ることができる
これが「ストックビジネス」の定義です。
ストックビジネスの定義は大きく2つの性質で語られる。
継続的にお金が入る
こっちは分かりやすいだろう。「ストック」という言葉どおり、利益を生み出す仕組みが蓄積されて、放っておいても金を生むのがストックビジネスの第一の性質だ。
「ストック」は「農耕」にあたり、反対の「フロー」は「狩猟」に似ている。積極的に狩りにいかないと獲物(売上)が得られないビジネスは、ストック型ではない。
売ることが出来る
「継続的にお金が入る」だけでは、サラリーマンと同じだ。もう1つ「売ることができる」がストックビジネスを定義づける欠かせない要素だ。
この分かりにくい概念は、逆に「売ることができないビジネス」を想定すれば理解しやすいと著者は説明している。例えば、職人とか「人に依存するビジネス」は事業を売却できないのでストックビジネスではない。ジャンルに限らず、発注主によって依頼された請負業務も、仕事が自分の持ち物ではないため事業を売ることはできない。
つまり、誰かに影響されずに仕事を自分の持ち物にすることがストックビジネスをつくる肝になってくる。
ストックビジネスの例
ストックビジネスの例を簡単にまとめると、以下のとおり。
- 不動産の取得(家賃を定期的に受け取れる)
- 自動販売機(飲料代を定期的に受け取れる)
- スポーツクラブ(会員費を定期的に受け取れる)
- ソフトバンクなどキャリア(通信料を定期的に受け取れる)
- 新聞(購読料を定期的に受け取れる)
- 英会話教室(月謝を定期的に受け取れる)
- コカ・コーラ(秘伝のノウハウで定期的に収入を得る)
- ジレット(カミソリの替え刃で定期的に収入を得る)
- 歯医者(次の予約を得ることが定期顧客獲得になる)
- フランチャイズ(マージンを得る。職人が独立する「のれん分け」はストック型ではない)
- 税理士や、企業と顧問契約をしている弁護士(単発の案件しか受けてない弁護士はストック型ではない)
これでもほんの一部。本著では17のビジネスモデルに分類して系統だって書いてある。ページ全体にいえることだが、図解も多くて理解しやすい一冊なので、ビジネス理論が苦手な人でも躊躇せず手に取ってみてほしい。
想像がふくらむ
ストックビジネスのタイプと例を眺めていると、想像がどんどん膨らんでくる。
こんなビジネスもいけるんじゃないか?自分の専門性を活かしたストックビジネスならアレかコレの2択かな?
ところで冒頭に挙げた「ブログ」はオーナーが自分であっても売却できなければストックビジネスではないので注意が必要だ。ちなみに、僕のブログは検索流入が全然ないので、1つ目の定義「継続的にお金が入る」にすら当てはまらないという、偉そうな記事を書いたくせに自虐的な現状であることを告白しておく。