『浜村渚の計算ノート』で、数学とミステリの新しい可能性を見ました
みなさんご存知(?)の通り、私は理系の本がけっこう好きです。
そしてミステリも大好きです。
さらに女子中がくs……げふんげふん。
私の好きな要素が集まって出来たようなこの小説、「浜村渚の計算ノート」。
小説としてもそうですが、「数学の本」として最っ高に面白いんです。
ここまで読みやすく、またしっかり数学している本は他にありません。
数学ぅ!? 無理無理!! というあなたも、きっと数学が少し好きになってしまう。
そんな魔力を秘めた、女子中学s数学の本です。
以下、裏表紙より一部引用
「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった! 新時代数学ミステリー!!
意外にもテロと戦う話だったりします。
数学を操るテロ集団に、数学大好き少女と仲間たちが立ち向かう。
そんなお話しです。
数学もすごいけど、ドラマチックな展開もすごい
数学を使って様々な事件を解決するこのシリーズ、数学のほかにも注目してほしい点があります。
物語としての完成度です。
4つの短編集からなるこの一冊ですが、どの話も起承転結がしっかりしています。
特に秀逸なのが、「結」の部分。
物語をしめくくるパートで、登場人物たちが見せる人間ドラマがたまらなくかっこいいんです。
「計算、ちごうたわ」
というセリフが出てくるのですが、これは私が読んできた小説の中でも1,2を争う名セリフ。
「0で割っちゃ、ダメです」
とも、甲乙つけがたい最高のシチュエーションでの、これしかない、最高のセリフなのです。
気になってきたら、ぜひとも一読してみてください。
期待の1.2倍、楽しめますよ。
面白い数学
各短編ごとに、数学がからんできます。
1つ目、『ぬり絵をやめさせる』のテーマは、みなさんご存知、四色問題。
「どんな地図も、4色あれば、隣り合う領域が同じ色にならないように塗り分けることが出来る」
というもの。
東野圭吾さんの、「容疑者Xの献身」にも出てきた有名な数学の問題ですね。
2つ目のテーマは、「0について」。
0に何をかけても0というのはあまりにも有名ですが、では、「4÷0」はどうでしょう。
最近数学に触れていない大人の方々、この問題に答えることはできますか?
0って一体何なのか、答えられますか?
3つ目は「フィボナッチ数列」。
1.1.2.3.5.8.13.21........
さて、21の次に入る数字はなんだかわかりますか?
このフィボナッチ数列、自然界にもたくさん存在するんですよ。
気になってきたでしょう?
最後はみなさんにとってもおなじみの、「π」です。
私は、3.14159265まで覚えています。
円周率っていったいなんだったのか、覚えていますか?
公式にあてはめて使うことは覚えているけど、円周率自体がなんだったのか、意外と忘れてしまいがちです。
数学は面白い!
その事にあらためて気付かせてくれる一冊ですよ。
まとめ
学生のころ数学が苦手だった人に読んでほしい!!
そういう人こそ、この本を読む価値がすごーくあります。
「数学なんて社会に出たら役にたたないっしょ」
なんて言って数学から逃げていた日々を思い出しながら、今一度、楽しい数学と向き合ってみませんか?
数学抜きにしても面白い物語なので、きっと満足以上のものを得られる一冊になりますよ。
浜村渚の計算ノート 講談社文庫 青柳碧人
最後に
最後まで読んでくださりありがとうございます。
今日のオススメ本、いかがでしたか?
こんな時に読む本をお勧めしてほしい。などあれば、コメント等でお知らせください。私、とても喜びます。
読んだ感想などお聞かせいただければ、これもまた、とてもうれしいです。
ぜひ私と、読書体験を共有しましょう。
目的別おすすめ度
ミステリ:★★★☆☆ 3
自分を高める本:★★★★☆ 4
理系本:★★★★★ 5
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