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 新国立競技場整備の財源となるスポーツ振興くじ(toto)の売り上げ確保に、日本スポーツ振興センター(JSC)が危機感を募らせている。昨年度の売り上げは、前年度比23億円減の1084億円。競技場整備は1100億円の売り上げを想定しており、JSCは4月から新商品を投入して売り上げ増を目指す。

 前年度を下回ったのは4年ぶり。JSCの今里譲理事は「(当選金が上積みされる)繰り越しのない時が続いたため」と分析する。「低下傾向にあるとは考えていないが、微減したのは確か」と言う。

 JSCが4月から投入した新くじは、1口100円の「100円BIG」で、最高当選金は1億円(繰り越しがあれば2億円)。Jリーグなど対象試合の結果を予想しなくてもいい「非予想系」のくじだ。さらに「BIG」で年2回程度行う「特別回」では、繰り越しがない場合の最高当選金を6億円から7億2円に引き上げる。

 新国立競技場の建設をめぐっては昨年12月、国と東京都が整備費の負担割合で合意した。その内容は、最大1581億円を対象に、国が半額の791億円、東京都とtotoがそれぞれ395億円を賄うというもの。ただ、国が出す791億円の財源には「国庫に入る予定だったtotoの売り上げ」が432億円含まれ、実質1581億円のうちの827億円をtotoが担う構造だ。売り上げの10%を新国立整備に回すこの仕組みを8年続ければ財源を確保できると国は試算するが、それには売り上げを維持する必要がある。