創薬ベンチャーのそ-せいグループは製薬会社アラガンとライセンス契約の締結後、新薬誕生に結びつけるパイプライン(医薬品候補物質)を「急速に」拡充させていると、6月に代表執行役社長CEO(最高経営責任者)に就任するピーター・ベインズ氏が述べた。

  この契約でアラガンは、そーせいの英子会社ヘプタレス・セラピューティクスに前金として1億2500万ドル(約135億円)を支払う。同子会社はそーせいが昨年に買収し、より的を絞って製薬を開発できる技術の権利を取得した。この分野の専門性を補強し事業の拡充を目的とする「ボルトオン」型の買収も検討するとベインズ氏は電話インタビューで明らかにした。

  そーせいの株価は過去1年で5倍に値上がり。国際的に事業を展開する複数の企業と提携を築いたことが背景にある。先週発表の契約締結で、アラガンはアルツハイマー型認知症など神経疾患の治療薬ポートフォリオのライセンスを得た。そーせいは、治療薬の自社開発と他社との提携を組み合わせるビジネスモデルを続けるという。

  ベインズ氏(59)は4月1日、そーせいの代表執行役COO(最高執行責任者)に就任。スミスクライン・ビーチャム(現グラクソ・スミスクライン)に23年勤務した経験を持つ。

  同氏によれば、そーせいは肺症患治療薬でノバルティスからのロイヤルティー収入を安定して得ており、これが新薬開発などへの投資を支える。アストラゼネカとも提携しているほか、ファイザーは昨年11月、そーせいに約3%出資すると発表した。

  そーせい株は東証マザーズ指数の約16%を占める。上場先を東京証券取引所1部に変更する手続きを進めているともベインズ氏は述べた。

原題:Sosei Says ’Rapidly’ Renewing Pipeline After Allergan Drug Deal(抜粋)