伊藤唯行
2016年4月12日11時56分
「人口1万人当たりの焼き肉店の数が日本一」というのが、長野県南部にある飯田市。ただ、ランキングを見ると2位の北海道北見市は牛の飼育数が多い地域だし、4位の三重県松阪市はご存じ松阪牛の本場。そんな「強豪」を抑え、なぜ飯田がトップなのか。
「飯田は山に囲まれた場所。昔から狩猟したイノシシやシカなどの肉を食べる習慣があったからではないか」。飯田市農業課は、そう解説する。山間部で広い農耕地が少なく、多くの農家が豚などの畜産を兼業してきたことも、肉食が親しまれてきた理由のようだ。
ただ昔の調理は煮込みが一般的で、焼くようになったのは昭和に入ってから。戦時中の発電所建設で、朝鮮半島からの労働者が肉を焼いて食べていたとか、戦後に旧満州から帰国した人たちが焼き肉の文化を持ち帰ったとか。焼き肉が広まった理由は諸説あるが、戦後になると焼き肉店が林立するように。現在は人口10万人余りの飯田市内に、56店あるという。
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朝日新聞社会部
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