平均年齢23歳。今、20代前半で志の高い人材がこぞって集まるスタートアップ、カウモ。若いメンバー構成ながらまさに急成長を遂げている彼らは、どのような考え方や働き方をしているのか。
若きスタートアッププロフェッショナルの胸の内に迫ります。
今回話を聞いたのは、カウモの取締役COOでひたすら新規事業を立ちあげ続けてきた和田崎達也氏。
2ヶ月に1回新しい事業を立ちあげているという和田崎氏の働き方は必見です。
2ヶ月に1回、新規で事業を立ち上げ続ける
—— 今カウモではどんなことをしていますか?
新しいサービスを作ってます。
「カウモ」というメディアを主軸でやっているなかで、去年の年末くらいからですかね。今後コマースをやっていきたいと思っているので、その検証も兼ねてプロダクトを作ってます。
去年の2月くらいに社員で入って、社長の太田和光と役員の渋江と。検索エンジンからの流入を増やすためにSEOから始めて。その次は編集部がなかったので、編集部の立ち上げ。
そこから広告で収益を出してるので、マネタイズの部分を作り。さらにアフィリエイトみたいな形で、もっと収益をあげていきましょうといプロジェクトをやりまして。そこからfacebookだったりInstagramだったりソーシャルのチームを作ったり。
1,2ヶ月ごとに別のことやってるっていうのが仕事ですね。
—— 何かを新しく立ち上げる仕事が多いんですかね。
そうですね、ほんとうに何もなかったので。ちょうどジョインして1ヶ月で今のオフィスに移ったんですけど、ここ1年くらいやってたのが立ち上げですね。
—— ペース的にはほぼ毎月何かを立ち上げてる?(笑)
このあいだ数えたんですけど、もう2ヶ月に1回くらいでした(笑)
—— すごいペースですね。それで今は新しいサービスを立ち上げている?
そうですね、立ち上げもある程度一通り終わってきて、これからカウモの事業としてどういう風にしようかって。
カウモはコマースを目指してやってるんですけどそれをどうお客さんの体験として作っていくかとか。
カウモの中でやるとプロダクトとして統一感がなくなったりもするので、新しいサービスとしてどう日本に良い購買体験を作るかっていうのを考えながら作っています。
—— 業務についてもう少し詳しく教えてください。
本当にサービスに関わる部分はなんでもやりますね。
例えばユーザーヒアリングとか。目黒にオフィスがあって周りに主婦の方がけっこういるんですね。ランチに行ってどういうコマースサービスを使ってるかヒアリングしたり、自分でもいろいろ試してます。
後はアプリの開発やデザインも勉強しながらやってますね。いつも大体立ち上げの時は作りながら勉強してます。いつもの感じで勉強しながら今のサービスの立ち上げもやってますね。
—— 作りながら勉強してるんですか?
夜に家帰って勉強して、次の日試してまた夜家帰って勉強してみたいな(笑)
—— ハードですね。いつもそんな感じなんですか?
それはカウモ入ってからずっとですね。 優秀なタイプでもないので。
デザインの話だとデザイナーの知り合いが多いので、他の会社の優秀な人にアドバイスもらったりしてます。アプリのデザインどうやったらいいですか?と(笑)
—— 新しいサービスの立ちあげは1人で?
CTOの内田とベースは2人でやってます。
開発は内田がやってそれ以外は僕っていう感じです。 もちろん最初の段階で、サービスをどう作ろうかといった方向性についてはがっつり一緒にブレストしたり。
—— 話を聞いているといろいろとやることが変わって難しい職種ですね(笑)
そうなんですよね、毎回やることが変わってるので(笑)
まあそういう環境を求めて入ったというのがそもそもあるので嬉しいところではあるんですけど。
他のメンバーの方がSEOなどのマーケティング面とかは特に強いので、ひとまず僕が突貫工事で仕上げた仕組みを彼らがもっと綺麗にしてくれて、その後も安定成長していくようになってるっていうのが各チームでおきてますね。
マネタイズもそうですしSEOもそうですね。彼らも優秀なので、ひたすらとりあえず建物が建つように突貫工事をしていくっていうのが僕の役割です。
この人となら、もっと大きいことできるなと
—— カウモに入る前の印象はどんな感じでしたか?
入る前の印象というか、入ったときの実情としては社長の会社なんですよね、そういうときって。
和光さんはRettyとかVASILYで経験を積んでいて、メディアを作ることに関して実績がありましたし、やっぱり彼の実力によって成果がだせてるっていう会社だなと。良くも悪くもです。
創業期って絶対それが重要だと思うんで、それがあったのはうちでよかったなあと思うところなんですけど。
そこから役割分担もメンバーでされてきて、徐々に法人としての人格を持ってきたなあと。例えばこういうインタビューに社長じゃなくてメンバーが呼ばれるようになったことも良い傾向だなあって。
—— なるほど
今までって和光さんがどう働いてるか、和光さんがどういう会社を作りたいと思ってるか、和光さんが今後どうなりたいかってところが、会社の今後進んでいく方向とニアリーイコールだったと思うんです。
ただこれからは僕らがしっかり成果だしていくってところはもちろん、僕らが持っている思想とかをいかに強烈に文化にまとめあげて、事業としてアウトプットしていくかが重要になってきて。
そういうきちんとしたチームに少しずつなってきたなあって、本当に最近感じるところですね。そこはよかったと思います。
カウモに投資してもらっているSkyland Venturesの木下さんに、よく起業家集団と言っていただくんですが、もともと僕は関西で会社やってましたし、CHRO(最高人事責任者)の佐藤ももともと街コンやって事業売却してたりします。
カウモは会社やってたメンバー始め、みんな自分で何かしらやってたメンバーが集まっていて、そういったメンバーがより濃い空気感で成果をだすために愚直にやれるかどうかっていうのは今後楽しみなところです。
逆にそういうメンバーがわくわくするような事業や会社の展望じゃないといけないので、そんな環境をみんなでこれから作っていって、ずっと張り詰めた状態にできるようにっていうのはやらないといけないところだなあって。
—— 自分で事業をされていたとのことですが、カウモに入ったいきさつはどんな感じだったんですか?
Skyland Venturesの木下さんの紹介で入りました。
なんだろう、人生に迷う時期ってあるじゃないですか。僕は関西出身で大学も関西なんですけど、18歳の時に先輩と会社の立ち上げをして、19歳の時に個人事業という形で事業をやってたんです。
その時は学生向けのアルバイト求人サイトの運営と、あとはソーシャルメディアの運用。Twitterをめっちゃやってて、運用代行とか、コンサルみたいなことをしてました。
それを大体1年半くらいですかね。 まあご飯が食べれるようになってきて、ご飯食えるようになったなあって。
そこからすごいこう、なんか、大きい事業をしたいなあと漠然と思ったんです。
大きい事業ってなにかっていうと、IT業界だといわゆるよくプロダクトと呼ばれますけど、事業で純粋に生活が便利になったとか、豊かになったとか、楽しくなったっていうのがただ作りたいっていう想いがあったんですよ。
その時は別にカウモで強烈にやりたい何かがあったわけでなく、個人としてひたすらそういう事業を作りたいというのが根底にあります。
特にITとかに限らず将来鉄道とかやれたら嬉しいなあと思って。別にネットのプロになろうとかではなくですね。社長は社長業やんなきゃいけないですし、僕は経営者より事業家でありたいんです。
そういう意味で、カウモに入ったのも和光さんとやったらより面白い事業が大きなスケールでできるって思ったからに尽きるんですよねえ。
—— 「カウモで働きたい」っていうよりは「太田くんと働きたい」に近い?
それですね。というか入ったときはカウモはほぼなかったに等しいんです。社名だけで。登記はしてたんですけど、カウモの人格は特になかったんですよね。
太田和光の会社、VCの木下さんが応援してくれる太田和光の会社、っていう良くも悪くもそういうタイミングで。
その時はカウモ単独のオフィスはなくて、渋谷にあるトランスリミットさんに間借りさせてもらっていました。地方にいるとわかるかもしれないんですけど、こういう東京にあるスタートアップの熱気とかってないじゃないですか。それに飢えてたんですよね。
関西だと中小企業の小金持ちのおっさんになってく気がして。自分もそうなるんじゃないかなって。 会社立ててでかくしようとも思ってなかったんですよ。
でも東京に来て、VCの木下さんに会って、トランスリミットの働いてる方も見て、和光さんとも会って。「うわっ、こんなんあんねや」っていう熱狂感と、この人となら大きい事業できるだろうというという、この2つに尽きます。
—— 確かにそういう環境は関西含め地方だとなかなかないですよね。
なので#HiveShibuyaとかもめっちゃ好きです。
関西にいる学生とか皆来たらいいのになあと思います。そういう環境を求めている人であれば。ちょっとないじゃないですかこういう感じの雰囲気って。もう慣れてますけど独特だと思うんですよね。
とにかく「全部できる」って嘘ついてました
—— そんな熱い思いで入社されたわけですが、実際にカウモに入ってからはどうでしたか?
社員で入れてくれって入って、入れてくれて1号で、インターン生とか東大生とかいたんですよね。 すげえ奴いるなあって、頭良さそうじゃないですか。社員で入った手前成果ださな恥ずかしいなあっていうのがあって。起業してたってのもあるし。
それに、なんか東京に来たら東京ってどんだけすごいやつおんねやろなあって感覚あるじゃないですか、そういうのもあって結構焦ってたんですよね。
とにかく全部できるって嘘ついて、家帰ってググって、勉強して翌日行くってやってました。できますよって(笑)
—— おぉ、勇気がありますね(笑)
でもその時に技が身についたんですよ。 夜調べるという技が。
なんでもできますって言って1回やってみて、もちろん失敗して迷惑かけることもあったんですけど、その分職域というか、やれる範囲がどんどん広がっていって。
そういう働き方、別に嘘付けとは言わないですけど(笑)、今いるインターン生にもいろいろやってみるといいって話はしてますね。
—— 基本的には自分から手を上げて?手をあげたら本当にやらせてくれるんですね
そうですね。というかあれなんですよ、「こういうのあるからやってくれない?」ってお願いされるより、「こういうのやっていい?」って聞いて、「いいよ」って返ってきて勝手にはじめるスタイルでやってます(笑)
ほぼ全部それで(笑)それはもう楽しくてやってるんですけど。
やっぱり優秀なメンバーが集まっているので、立ち上げの価値って高かったなあって思ってて。事業を立ち上げることで新しい仕事が生まれて、そこに後から入ってきた社員なりインターン生が加わって、仕事の精度がどんどん高くなっていくっていう。
だからもう今僕がそこに入っても役に立たないですよ。 そんな形で、会社が出来ていく感覚を楽しみながらやってました。まあ性に合ってるというか、そういうのが好きなんで、立ち上げ楽しい!って。
—— 隔月で違うことをやるって結構しんどくないですか?ようやくペース掴んできたらまた0から全く違うことをやるわけですよね。
そうですね。けどもうやりたくなってるんですよ、1ヶ月半すると新しいことしたくなるんですよ。次あれやったらいけるなあっていう(笑)
それにもうすごいんですよ、他のメンバーも皆。1ヶ月半くらいやってたら追いついてくる。一緒に激烈に働いてるんで。
なんで自分もまた立ち上げてそこで何かを作ってくってのをひたすらやらないといけないなあっていうのが去年の働き方ですね。
—— 他のメンバーが追いついてくるので結構危機感的なものが?
途中からありました。でも、それも含めて楽しいなあって(笑)
以前、社長の和光さんが僕の家に泊まりに来たんですよ。 その時に、会社入ってからどう働いたらいいのかみたいな相談をしてたんですよね、ちょっとお酒飲みながら。
それで彼から言われたのが、「会社の中で人数も増えたので、上に立つように働くよりももう誰よりも早く先頭で走ってくれ」と。 それだけ受け取ったんです。オッケーって。正直それくらいで。
彼から仕事で、注意されたこともそんなないですし、逆になにかこうやってくれってお願いされたこともあまりないんですけど、その発言だけはもう強烈に覚えていて。
なので絶対最速で一番前走る!っていうのは去年は意識してましたね。
事業を大きくしたいという欲と、自分たちならやれるという謎の期待感
—— それだけ頑張れるのはなんでですか?モチベーションの源泉というか。
実はたいしたことしてないんですよね、自分(笑)
このあいだも世の中にある、洗濯機とかレンジとかそういう商品の固有名詞をひたすらエクセルに上げ続けるみたいなのを一日中ずっとやってて。そんなんなんですよね。以外とそういうデータとかもないし。
—— 単純に楽しいから?
いやでもやっぱり、しんどいじゃないですか。それはもう僕嘘つく気なくて。
よく楽しいからできるとか言う人いますけど、絶対嘘でしょー、しんどいですもん(笑) 寝なかったら普通にしんどい。いや本当に嘘でしょーと思うんですよね(笑)
でも焦りみたいなものはあります。 僕らって、まだまだ若いスタートアップですけど、実際若いかどうかは事業をやる上では関係ないですし。社会的な責任とかって、世間知らずな若者がやってようがなんだろうが関係ないじゃないですか。
そういうところに対してどう帳尻合わせるかって焦りはあって。 今は特に強いですね、事業をどう成長させるかとか、事業をどう良いものにしてくかってところの責任というか焦りとか、プレッシャーですね。
ていうのと、けどやっぱり事業を大きくしたいという欲はあります。 それって欲なので、社会性を帯びてるとかではなくて、そういう事業作りたいっていう欲が一番でかいですかね。ただ実際もうやめようかなってくらいしんどい時もあるんですよ。
—— 1番はどんな時でしたか?
もうとにかく眠すぎて(笑)
—— 特に創業期だと結構ありそうですね
もうやばいんちゃうかみたいな(笑)本当にずっと眠くて。
—— それでもやり続けるのはやっぱり欲が強いからですか?
もう欲ですね、正直それです。
あともう一個あるのが、うちでやれてる理由という意味では、このメンバーならカウモならできる気がするなあってのはぼんやりなんか持ってるところですね。
普通に人間的にも未熟で、この世代のスーパーマンが集まってるわけでもないんで、本当に未熟なメンバーで集まってるのは承知の上なんですけど。
どう考えても他の会社より優秀だから絶対勝てるでしょとかではないんですけど、なんかぼんやり俺らだったらいけるんちゃうかみたいなそういう期待感。謎ですけど(笑) ちょっとなんかそういうの強みです。なんかいける気がするみたいな(笑)
それがあるのって、恐らくインタビューの機会いただいたりとか人が遊びにきてくれる場になってるとか、VCの木下さんが応援してくれているとか、そういう応援してもらってる感みたいのがそうさせてるのかなって思うんですけど。
和光さんそういうところあるんですよね、なんか好かれるみたいな。彼のそういう人間性みたいなので、カウモ自体がそういう場になってて。 そこに対して現実性を帯びさせていくのが僕らの仕事だと思ってます。もう人たらしですよね普通に、操るし(笑)
だから本当になんとなくではあるんですけど、感覚的にいけそうな気がしています。
(後編に続く)