「副首都推進局」発足 57人でスタート
大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の修正案づくりや、現在の行政区を再編統合して権限を強める「総合区」の具体案策定などを担う大阪府・市の共同部署「副首都推進局」が1日、発足した。執務室は市役所に置かれ、府職員28人と市職員29人の計57人でスタートした。
市役所であった発足式で、松井一郎知事は「市のエリアが見直されるのは確実で、総合区はミニマム、特別区はマキシマムだ。豊かさを感じる大阪をつくっていこう」、吉村洋文市長は「それぞれベストの案を作ってほしい」などと訓示した。職員を代表し、府職員の手向健二・副首都推進局長が「スピード感を持って、議論しながら一つになって案を作っていきたい」と述べた。
推進局は、昨年5月の住民投票で否決された都構想の制度設計を担った府・市共同部署「大都市局」の後継組織に当たる。当初は都構想に反対する自民、公明などが設置に反発。その後、吉村市長は総合区の導入を目指す公明に配慮し、推進局で総合区も検討することを決めたため、公明は設置賛成に転じた。
推進局は、まずは総合区の具体案づくりを進め、8月ごろまでにたたき台となる複数の案を策定。同月から市主催の住民説明会を始め、複数案を示しながら絞り込み、並行して都構想の修正案づくりも進める予定だ。【久保聡】
吉村市長「二者択一、市民に選択」
大阪市の吉村洋文市長は1日の定例記者会見で、大阪の副首都化に向けた市のあり方を問う住民投票について、「総合区と特別区のベストな案を作り、市民にどちらかを選択してもらう」と述べ、「現状のまま」などの選択肢は設けず、二者択一で実施したい考えを示した。
吉村市長は「今の(大阪市の)形のままで終了すれば、大都市制度の議論を尽くしたことにならない」と強調。現状維持を求める市民に対応する受け皿は設けないとした上で、「昨年の大阪ダブル選挙の結果なども踏まえれば、『何もしない』という案は今の民意とは違うと思っている」と述べた。【念佛明奈】