1.適用範囲
この基準は,学術雑誌(冊子体,CD-ROM等の電子的パッケージメディア,オンラインを含む。)の発行における基本的な方針,記載すべき事項(SIST 08で規定する学術論文に関する事項を除く。)及びそれらの記載要領を示し,学術雑誌及び学術的出版物(以下,これらを“雑誌”と総称する。)の編集者及び出版者に指針を与えるものである。
2.用語の意味
この基準で使用する主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1) 学術雑誌(scholarly journal)
原著論文等の学術論文を主として掲載する定期又は不定期の逐次刊行物。
(2) 学術的出版物(scholarly publication)
学術雑誌と類似の発行形態をとり,原著論文及びそれに近い形式をとる総説・解説,技術報告・研究ノート等を主として掲載する出版物。学会誌,研究紀要・技報,論文集,技術報告シリーズ・ディスカッションペーパーシリーズ等の出版物がある。
(3) 原著論文(original paper)
学術的な研究により得られた知見を公表することを目的とし,完結した内容を含む論文。
(4) 電子雑誌(electronic journal)
電子的媒体で出版される雑誌。CD-ROM等のパッケージメディアやインターネット等のオンラインのメディアによるものを含む。掲載される論文等の形式にはPDF等の冊子と同様の体裁を取るものと,HTML等の電子的媒体固有の体裁を取るものとがある。
(5) 巻号だて(numbering of volume and issue)
雑誌の発行の順序を巻と号の併用で表示し,巻がかわると号は再び1号から始める方式。
(6) 号だて(numbering of issue)
雑誌の発行の順序を号のみの系列で表示する方式。
(7) 柱(running head)
書籍,雑誌等の出版物で,ページの欄外余白部に記載された誌名,見出し等。学術雑誌では論文を識別するのに十分な情報を含める。
(8) 標題紙(title leaf)
書籍の本文の前にあって書名などが書いてある紙。雑誌では,図書館等での製本の際に用いるため,各巻の最終号の末尾に総目次などとともに付けられることが多い。
(9) 奥付(colophon)
主として和文の書籍・雑誌において,通常末尾に出版・発売等に関する情報を記載した部分。
(10) マストヘッド(masthead)
主として欧文誌において,通常冒頭に出版・発売等に関する情報を記載した部分。
(11) DOI
Digital Object Identifierの略であり,インターネット上で出版される文書,画像,動画,音声等の情報に付与される識別子。学術雑誌では,通常,論文ごとに出版者が付与する。
(12) ISSN,ISSN-L
ISSNは「国際標準逐次刊行物番号(International Standard Serial Number)」の略であり,個々の逐次刊行物名を識別するための国際コード。日本では国立国会図書館が登録機関となっている。ISSN-L (Linking ISSN) は媒体ごとに別のISSNを持つ同一の逐次刊行物同士をリンクするための仕組みであり,媒体ごとのISSNのうちISSNネットワークにより指定された唯一のISSNを採用する。
3.雑誌の発行
学術研究成果の公開・流通を目的とする雑誌においては,読者が個々の研究成果の出典を正確に識別できるようにするとともに,第三者が掲載論文等を容易に入手することを可能とするため,雑誌の発行は以下の規定に従うものとする。
3.1 誌名
(a)誌名は,その雑誌が容易に識別できるように,対象とする学術分野名又は機関名,あるいはこれらについてのキーワードを含むものとする。
(b)雑誌の性格を明らかにするために,副誌名を付けることができる。
(c)誌名及び副誌名(以下誌名という。)に用いる言語は,原則として本文で主として用いる言語と一致させる。
(d)誌名を変更する場合は,巻又は年の区切りで変更する。
3.2 雑誌の合併と分割
(a)2誌以上の雑誌を合併する場合は,原則として,巻又は年の区切りで合併し,誌名及び巻号数の継承は以下による。
1) もとの誌名を残さない場合は,新しい雑誌として第1巻第1号又は第1号から始める。
2) もとの誌名の一つを残す場合は,継続雑誌としてその巻号数を継承する。
(b)雑誌を2誌以上に分割する場合は,原則として,巻又は年の区切りで分割し,誌名及び巻号数の継承は以下による。
1) もとの誌名を残さない場合は,いずれも新しい雑誌として第1巻第1号又は第1号から始める。
2) 新しい雑誌の一つにもとの誌名を残す場合は,その雑誌にかぎり継続雑誌として分割以前の巻号数を継承し,他の雑誌は新しい雑誌として第1巻第1号又は第1号から始める。
3.3 複数の雑誌の合冊発行
(a)複数の雑誌を1冊に合冊発行することは望ましくない。やむを得ず合冊発行する場合は,表紙に合冊されていることを明記するとともに,該当部分に合冊各誌の中表紙を入れ,ページ付けも別々とする。CD-ROM 等に複数の雑誌を合冊発行する場合も同様とする。
(b)大会の予稿・抄録等を掲載する場合,それらが独立した雑誌(大会予稿集・抄録集等の独立した名称がつく場合)と考えられる場合は(a)と同様とする。
3.4 複数の媒体での発行等
(a)複数の媒体で発行する場合も用いる誌名は同一とする。媒体の区別が必要な場合は誌名の後に「(オンライン版)」等と副記する。
(b)複数の媒体で発行する場合も書誌(巻・号・ページ付け等)は同一とする。ただし,オンラインによる早期公開でこれらの情報が欠けている場合はその限りでない。
(c)複数の媒体で並行して発行する場合,両者に掲載される論文等は同一であることが望ましい。ただし,例えばオンライン版にのみ掲載される場合は,冊子体版にはその旨を明記し,目次に掲載することが望ましい。その場合のページ付けは,オンライン版のみであることがわかるように, E1, E23 等のように区別された形式を用いる。
(d)累積版や抜き取り版等を発行する場合は表紙にその旨を明記する。もとの論文等の書誌を変更してはならない。
3.5 ISSN
(a)雑誌にはISSN(国際標準逐次刊行物番号)を取得する。
(b)複数の媒体で発行する場合は,媒体毎に異なる ISSN を取得するとともに,先行する媒体と関係付けるLinking ISSN(ISSN-L)を確認する。
(c)誌名を変更した場合(副誌名を正式な誌名に変更した場合,誌名に含まれる機関名が変更された場合等も含む。)は,新しい ISSN を取得する。
3.6 発行頻度と順序
(a)発行頻度と発行日又は発行月はあらかじめ定め,原則として,少なくとも年1号は発行する。
(b)発行日又は発行月の変更及び休刊等,発行が規定どおりに行われない場合は,関連する号に,その事実を明確に記載する。
3.7 巻・号・発行日等
(a)学術雑誌では巻号だてが望ましい。
(b)一つの巻が継続する期間は一定とする。また,原則として暦年の区切りと一致させる。
(c)巻号だての場合は,各巻ごとに第1号から始まることとし,巻をまたがる通し号数は付けない。
(d)特別号,大会特集号,臨時増刊等を発行する場合は,当該雑誌の特定の巻の一部であることを明らかにする。特別巻又は特定の巻に属さない特別号等の発行は行わない。この場合,別の雑誌または単行本として発行することが望ましい。
(e)雑誌の一部の号を継続的に特別の号として発行することは原則として行わない。
(f)発行年又は発行年月若しくは発行日(以下これを“発行日等”と呼ぶ。)は,その号が実際に発行された年月日とし,西暦を用いる。
3.8 ページ付け
(a)巻号だての場合は,一つの巻の第1号本文の第1ページから始まり,その巻の最終号本文の最終ページで終る一連の数字(通しページ)を付与する。
(b)号だての場合は,一つの号の本文の第1ページから始まり,その号の本文の最終ページで終る一連の数字を付与する。
(c)特別号,大会特集号,臨時増刊等を特定の巻の一部として発行する場合のページ付けは,当該巻の通しページとするか,又は,通常号のページと混同されないよう,S1, S2等明確に区別できるようにする。
(d)別刷や,累積版,抜き取り版,CD-ROM 版等を発行する場合は,発行時のページ付けを変更してはならない。
(e)論文番号を付与してページ付けに代えることもできる。この場合(以下,「論文番号で代替する場合」と言う。),その論文の第1ページから始まり,その論文の最終ページで
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Iわる一連の数字(論文内ページ)を各論文に付加することができる。
3.9 DOI
(a)電子雑誌に掲載される論文には DOI (Digital Object Identifier) を付与することが望ましい。
(b)DOIは論文毎に付与する。同一の論文を複数の媒体や形式で発行する場合もDOIは同一とする。
3.10 早期公開
一部又は全部の論文をオンラインで早期公開し,後に正式の冊子体等を発行する場合の取り扱いは以下のとおりとする。
(a)早期公開論文及び正式公開論文の双方に早期公開日を明記する。
(b)早期公開論文に巻・号を記載する必要はなく,また,ページ付けが異なっていてもよい。ただし,この場合,早期公開であることを明記する。また,早期公開論文と正式公開論文との一致がわかるように, DOI を付与することが望ましい。
3.11 訂正記事・撤回
(a)掲載された原著論文に誤りが発見された場合は,訂正記事 (erratum) を掲載する。訂正記事はページ数のあるページに掲載し,もとの論文の書誌と訂正内容を記載する。訂正記事は目次にも記載する。
(b)原著論文以外の場合は,訂正記事に代えて正誤表を掲載することもできるが,これもページ数のあるページに掲載し,目次にも記載する。
(c)訂正文をラベルや訂正紙として印刷したもの,あるいは訂正して再作成した論文の別刷りを,次号に挟み込む等の措置を行ってはならない。
(d)掲載された論文に重大な誤り等があり放置できない場合,あるいは研究上・論文執筆上の不正が発見された場合は,撤回措置 (retraction) を取ることがある。その場合は撤回告知記事をページ数のあるページに掲載し,もとの論文の書誌と撤回理由を記載する。撤回告知記事は目次にも記載する。
(e)掲載された論文に重大な誤り等があり,著者が再発行を望んだ場合,訂正再発行を行うことがある。その場合は訂正再発行告知記事をページ数のあるページに掲載し,もとの論文の書誌と再発行理由を記載する。訂正再発行告知記事は目次にも記載する。再発行論文には新しくページ付けをして発行することとし,別刷りによって差し替える等の措置を行ってはならない。
(f)論文番号で代替する場合には,上記各項において,ページ数のあるページに掲載する代わりに論文番号を付与する。
(g)電子雑誌の場合も冊子体に準じる。もとの論文の修正又は削除は行わず,未修正のまま公開を継続する。また,訂正記事等は可能な限りもとの論文と相互リンクを行う。
3.12 著作権
論文等の著作権の保護と効果的な出版及び利用を可能とするため,論文等の著作権の帰属及び利用許諾に関する取り扱いを定め,論文等の著者及び読者等の著作物利用者に周知する。
3.13 投稿規程の制定と公開
雑誌の編集方針,論文の要件と遵守事項,原稿の書き方,投稿論文の取り扱い等の事項を投稿規程として定め,雑誌やホームページへの掲載などを通じて公開し,投稿者(著者)や読者に周知する。記載すべき事項には下記の全部または一部を含む。
(a)雑誌の対象とする分野,掲載する論文等の種別(原著論文,短報,総説,解説等),長さ(字数又は印刷ページ数)及び使用言語(日本語,英語等)
(b)投稿者又は著者の資格と共著者の承諾に関する条件
(c)論文の審査手順と採択基準
(d)論文の受付日又は採択日に関する規定
(e)原稿の書き方
1)投稿票
2)論文構造のスタイル(章立ての基準等)
3)文字およびレイアウト等の原稿の作り方
4)図又は写真及び表の作り方
5)用字用語,記号,符号,単位等の基準
6)参照文献の書き方
7)抄録及びキーワードの書き方
8)電子原稿の作り方と添付ファイル
(f)論文のオリジナリティに関する条件
1) 新規性の定義または考え方
2) 既発表または投稿中,投稿予定の論文等との関係
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(g)法令及び研究・投稿倫理等の遵守
1) 著作権の尊重,個人情報やプライバシーの保護など
2) 剽窃,盗用,ねつ造,改ざん等の禁止
3) 二重投稿の禁止
3) 利益相反の申告等
4) 遵守すべき法律,規程,ガイドライン等
5) その他,研究分野に固有な事項
(h)著作権の帰属と著者の権利(著者による原稿内容や図表の転用,セルフアーカイブ等)又は発行者の権利(電子的公開,二次利用の権利,複写の許諾権等)に関する規定
(i)校正,別刷,掲載料等の規定
(j)投稿方法(電子投稿の場合はその手順等)
(k)投稿規程の制定日付及び発効日付または適用開始巻号
4.雑誌の構成と記載事項
冊子体の雑誌の各号は,表紙,目次,論文,奥付又はマストヘッド,柱等から構成される。電子雑誌も冊子体のそれぞれに相当するページから構成される。
以下では冊子体の構成において記載すべき事項(○:必須記載事項,△:任意記載事項)を記し,それぞれに対応する電子雑誌の構成をあわせて示す。
また,論文番号で代替する場合には,ページ付けに基づく記載事項は,相当する論文番号による記載に置き換えるものとする。
なお,※を付した事項はSIST 08の規定に従う。
4.1 表紙
(a)表表紙には,下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ ISSN
○ 巻号数
○ 発行日等
○ 発行者名
○ 編集者名(発行者名と異なる場合に記載する。)
△ 号の収録ページ範囲
(b)背表紙には,下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ 巻号数
○ 発行日等
△ 号の収録ページ範囲
(c)電子雑誌の場合は,上記事項を表紙に相当する場所に記載する。
4.2 奥付又はマストヘッド
(a)和文誌の奥付には,下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ ISSN
○ 発行頻度
○ 巻号数
○ 編集者名
△ 編集委員会の構成等
○ 発行者名
○ 発行者所在地及び連絡先
△ 発行者以外の発売者又は配布者の名称と所在地及び連絡先
○ 価格(購読料)
○ 発行日
△ 著作権情報
(b)欧文誌のマストヘッドには,下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ ISSN
○ 発行頻度
△ 巻号数
○ 編集者名
○ 編集委員会の構成等
○ 発行者名
○ 発行者所在地及び連絡先
△ 発行者以外の発売者又は配布者の名称と所在地及び連絡先
○ 価格(購読料)
△ 著作権情報
(c)電子雑誌の場合は,上記事項を奥付又はマストヘッドに相当する場所に一箇所にまとめて記載することが望ましい。
4.3 目次
(a)目次ページには,下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ 巻号数
○ 発行日等
○ 論文等の標題 ※
○ 著者名 ※
○ 論文ページ範囲
△ 分野,論文種別等のセクション見出し
(b)電子雑誌の場合は,上記を目次に相当する場所に記載し,本文へのハイパー
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潟塔Nを付与する。
4.4 論文
(a)下記の事項を,原則として論文の第1ページに記載する。
○ 標題 ※
○ 著者名 ※
○ 著者の所属機関名等 ※
○ 抄録 ※
○ 論文掲載情報(誌名,巻号数,発行日等,論文ページ範囲,DOI)
△ 受付日又は採択日
△ 会議開催情報
△ 論文種別
△ キーワード及び分類 ※
△ 著作権情報
△ 著者紹介
(b)電子雑誌の場合は,上記に加えて下記の事項を論文の第1ページに相当する場所に記載する。
○ 発行日(公開日)
4.5 柱
(a)柱には下記の事項を記載する。
○ 誌名又は略誌名
○ 巻号数
○ 発行日等
△ 論文等の標題又はその簡略形
△ 著者名又はその簡略形
△ 論文ページ範囲
(b)柱の記載事項は奇数ページと偶数ページで変えてもよい。
(c)電子雑誌で柱がある場合は同様に記載する。
4.6 標題紙
各巻または各号の一定の位置に標題紙を挿入することが望ましい。標題紙には下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ ISSN
○ 巻数
○ 巻に収録された号数及びページ数
○ 発行年
○ 発行者名
○ 発行者所在地及び連絡先
○ 編集者名(発行者名と異なる場合に記載する。)
△ 編集委員会の構成等
△ 著作権表示
4.7 総目次
(a)各巻の最終号には総目次を付けることが望ましい。総目次には下記の事項を記載する。
○ 誌名
○ 巻数
○ 発行年
○ 論文等の標題 ※
○ 著者名 ※
○ 掲載号数及び論文ページ範囲
△ 分野,論文種別等のセクション見出し
(b)電子雑誌の場合は,巻・号の階層目次があることが望ましい。
4.8 索引
(a)各巻には,その最終号に下記の索引を付けることが望ましい。
△ 事項索引
△ 著者名索引
(b)電子雑誌の場合は,上記の索引に代わる検索機能を設けることが望ましい。
4.9 投稿規程
当該巻号に適用される投稿規程を各巻または各号の一定箇所に掲載する。投稿規程に改訂があった場合は,最新の投稿規程も掲載する。電子雑誌の場合はこれらに加え,可能な限り過去の投稿規程もその適用期間の表示とともに常に掲載する。
4.10 その他
雑誌発行に関して外部機関の承認・助成等を受けた場合は,当該機関が規定する記載事項を規定された箇所に表示する。
5.記載要領
5.1 誌名
(a)誌名は,漢字,かな,英字等の表記を固定し,常に同一の字句で表記する。
(b)副誌名の記載は,副誌名であることが明らかになるように表記する。
(c)誌名が日本語の場合は,ローマ字書きを表紙,奥付又はマストヘッド等一定の箇所に記載する。国際的に広く通用する言語による誌名を定めている場合はこれを併記する。
(d)誌名を変更する場合は,少なくとも,変更する前の号から誌名変更の予告を掲載し,更に,変更した号及
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びその直後の号の表紙に,旧誌名を付記する。
5.2 ISSN
(a)ISSNの表表紙での記載位置は,原則として右肩上とする。
(b)複数の媒体で発行されている場合はLinking ISSN (ISSN-L) あるいは各媒体毎のISSNも併記することができる。
5.3 巻・号・発行日等
(a)巻数はアラビア数字とし,文字を付加しない。
(b)発行年は西暦をアラビア数字で表記する。
(c)発行日等は巻号数の記載がある箇所に併記する。
5.4 ページ
(a)巻号だての場合には,各巻の通しページのみとし,各号の第1ページから始まるページ付けを併記してはならない。
(b)本文と関連のある写真,図表等が本文から独立して別ページに印刷されている場合には,それらに対しても配列の順序に従ってページを付与する。
(c)表紙,目次,標題紙,広告等は本文ページには含めない。ただし,本文が記載されているページの裏側は,広告又は白紙等であっても,本文ページに含めたページを付与する。
(d)ページ付けに用いる数字は,アラビア数字とし,原則としてすべてのページに記載する。
(e)論文番号で代替する場合には,論文内ページは論文番号と区別できる形式とする。また,各巻または各号の第1ページから始まるページ付けを併記してはならない。
(f)目次,柱等で論文ページ範囲を記載する場合は,原則として当該論文等の第1ページと最終ページを二分ダッシュで結んで記載する。これによりがたい場合には,当該論文等の第1ページのみを記載する。論文番号で代替する場合には,論文番号を記載するとともに,可能であれば当該論文等の総ページ数を併記する。
5.5 発行者名及び発行者所在地等
(a)発行者名に略称を用いてはならない。
(b)発行者所在地は,郵便番号,番地等を含む完全なものとする。
(c)発行者以外に発売者,配布者等のある場合には,その果す役割を明らかにし,その名称及び所在地を発行者のそれに準じて記載する。
(d)和文誌における発行者名及び発行者所在地には,欧文表記を付すことが望ましい。
(e)発行者等の連絡先として,電話番号,電子メールアドレス等を併記する。
(f)発行者のウェブサイトのURLも併記することが望ましい。
5.6 奥付又はマストヘッド
(a)奥付及びマストヘッドは,毎号一定の箇所に掲載する。
(b)奥付は,本文の最終ページ又は裏表紙裏面若しくは裏表紙に掲載する。
(c)マストヘッドは,表紙裏面又は目次ページ若しくはそれらの隣接ページに掲載する。
5.7 目次
(a)目次は毎号,本文に先立つ一定の箇所に掲載する。
(b)上記以外に,簡略目次など補助的な目次を表紙に掲載することができる。
(c)目次にはその号に収録されている論文等の標題,著者名及び論文ページ範囲を正確に記載する。
(d)和文誌においては,日本語による目次のほか,国際的に広く通用する言語による目次を一定の箇所に掲載する。
(e)必要に応じて論文等の種類を示したセクション見出しを設けることが望ましい。
5.8 論文
(a)標題,著者名,著者の所属機関,抄録,キーワード及び分類等を,SIST 08に従い,論文の第1ページに記載する。
(b)論文掲載情報(誌名,巻号数,発行日等,論文ページ範囲)を,論文の第1ページの一定の箇所にまとめて記載する。DOI等の広く通用する識別子が付与されている場合は,他の論文掲載情報と併せて記載する。
(c)学術会議等での発表論文を掲載する会議録や雑誌の論文の場合,論文の第1ページに,会議開催情報(会議名,開催場所,開催日,主催者等)をまとめて一定の箇所に記載することが望ましい。
(d)複数の種別の論文を掲載する雑誌の場合は,その論文種別
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論文の第1ページに記載する。
(e)各論文の著作権が論文著者に属さない場合は,原則としてその著作権情報を当該論文の第1ページに記載する。
(f)論文の各種日付(受付日・採択日,公開日)は,投稿規程等で定められた年月日を,原則として,論文掲載情報とまとめて記載する。
(g)ページ及び柱を論文の各ページに記載する。
5.9 著作権情報
(a)著作権の帰属,及び著作物の利用許諾等に関する情報を記載する。
(b)著作権の帰属の表示(著作権表示)は,著作権記号(c),著作権者の名称及び著作物を最初に発行した年を記載する。
5.10 索引
(a)索引の掲載がその巻の最終号より遅れる場合又は別冊で発行する場合には,その旨をその巻の最終号等に記載する。
(b)索引を含む号には,表紙等にその旨を明示することが望ましい。
6.関連基準
(1) SIST 08:2010. 学術論文の執筆と構成.
(2) ISO 3297:2007. Information and documentation‐International standard serial number (ISSN).