14e0 (cache) SIST 07

科学技術情報流通技術基準

学術雑誌の構成とその要素

Presentation of Periodicals




1. 適用範囲

 この基準は,国内で発行する学術雑誌(以下,これを“雑誌”と呼ぶ)の表紙,目次,論文の第1ページ,奥付,標題紙等に記載すべき事項及びそれらの記載要領に対して指針を与えるものである。



2. 用語の意味

 この基準で使用する主な用語の意味は,次のとおりである。

(1)奥付(colophon)

 主として和文誌において,通常本文の最終ページ又は表紙3若しくは表紙4に掲載される誌名,発行年,発行頻度,発行者名,発行者所在地,価格等の出版事項を記載した部分。

(2)学術雑誌(scientific periodical)

 主として原著論文を掲載する定期又は不定期の逐次刊行物。

(3)巻号だて(numbering of volume and issue)

 雑誌の発行の順序を巻と号の併用で表示し,巻がかわると号は再び1号から始める方式。

(4)キーワード(keyword)

 論文や記事の主題を表わすために付与された語句。

(5)号だて(numbering of issue)

 雑誌の発行の順序を号のみの系列で表示する方式。

(6)識別記号(identification code)

 逐次刊行物を識別するために付与されるISSN,CODEN等のコード。

(7)書誌票(bibliographical strip)

 雑誌の識別を容易にするために,雑誌の各号の表紙1に印刷される誌名,巻号数,発行年等を簡潔にまとめて記載した書誌事項。

(8)総目次(table of contents)

 一つの巻又は一定期間内に収録された論文や記事全部の目次。

(9)柱(running head)

 本文の欄外余白部に記載してある誌名(又は略誌名),論文等の標題(又はその簡略形),著者名,発行年,ページ等の書誌事項。

(10)標題紙(title leaf)

 雑誌の製本に際して,その巻を明瞭にするために付ける誌名,巻号,発行年,発行者名等の書誌事項を記載したページ。

(11)分類記号(class mark)

 論文や記事の主題を表すために,ある体系に基づいて付与された記号。

(12)マストヘッド(masthead)

 主として欧文誌において,通常目次ページ又は表紙2に掲載される誌名,発行年,発行頻度,発行者名,発行者所在地,価格等の出版事項を記載した部分。和文誌の奥付に相当する。



3. 雑誌の構成と記載事項

3.1 雑誌の各号の構成と記載事項

3.1.1 表紙

(1)表紙1には,下記の事項を記載する。

誌名
巻及び号数又は号数(以下これらを“巻号数”と呼ぶ)
発行年
発行者名
発行地名
識別記号

(2)表紙1には,下記の事項を記載することが望ましい。

書誌票

(3)編集者と発行者が異なる場合には,表紙1に編集者名を記載する。

(4)背表紙には,下記の事項を記載する。

誌名
巻号数
号の収録ページ
発行年

3.1.2 目次

目次には下記の事項を記載する。

論文等の標題
著者名
掲載ページ

3.1.3 論文

(1)論文の第1ページには,下記の事項を記載する。

標題
著者名
著者の所属機関名等
抄録
誌名,巻号数,発行年,掲載ページ

(2)各論文の第1ページには,下記の事項を記載することが望ましい。

受理又は採用年月日
キーワード及び分類記号

3.1.4 奥付又はマストヘッド

(1)奥付又はマストヘッドには,下記の事項を記載する。

誌名
発行頻度
巻号数
編集者名
発行年
発行者名
発行者所在地
著作権表示
価格

(2)発行者以外に発売者又は配布者がある場合には,その名称と所在地を記載する。

3.1.5 柱

(1)柱には下記の事項を記載する。

誌名又は略誌名
巻号数
発行年
ページ

(2)柱には下記の事項も記載することが望ましい。

論文等の標題又はその簡略形
著者名又はその簡略形

3.2 雑誌の各巻の構成と記載事項

3.2.1 標題紙

(1)標題紙には下記の事項を記載する。

誌名
巻数
巻に収録された号数及びページ数
発行年
発行者名
発行者所在地
著作権表示

(2)標題紙には下記の事項も記載することが望ましい。

編集者名
編集委員会の構成等

3.2.2 総目次

総目次には下記の事項を記載する。

論文等の記事の標題
著者名
掲載号数及びページ

3.2.3 索引

各巻には,下記の索引を付けることが望ましい。

事項索引
著者名索引



4. 記載要領

4.1 誌名

(1)誌名は,その雑誌が容易に識別できるように,対象とする学術分野又は機関名を含むものとする。

(2)雑誌の性格を明らかにするために,副誌名を付ける 107d アとができる。その場合には,副誌名であることが明らかになるように表記する。

(3)誌名及び副誌名(以下誌名という)に用いる語は,本文で主として用いる言語と一致させることが望ましい。

(4)誌名が日本語の場合には,ローマ字書き及び国際的に広く通用する言語による誌名を表紙,奥付又はマストヘッド等一定の箇所に記載する。

(5)誌名は,常に同一の字句で表記する。

(6)誌名を略記する場合には,SIST 05「雑誌名の略記」に従う。

4.2 巻号数

(1)巻号数は,巻号だての場合には第1巻第1号から,号だての場合には第1号から,以下順をおって一連のアラビア数字により表示する。

(2)巻号だての場合には,それ以外の通し号数は付けない。

(3)一つの巻が継続する期間は,暦年月の区切りと一致させ,毎巻一定していることが望ましい。

(4)別冊,臨時増刊,付録などを発行する場合には,当該誌名及び巻号との関連を明らかにする。必要な場合には,その号が単独で扱えるようにすることが望ましい。

4.3 ぺ一ジ

(1)巻号だての場合には,一つの巻の第1号本文の第1ページから始まり,その巻の最終号本文の最終ページで終る一連の数字を付与する。

(2)巻号だての場合には,各号の第1ページから始まるページ付けを併記してはならない。

(3)号だての場合には,一つの号の本文の第1ページから始まり,その号の本文の最終ページで終る一連の数字を付与する。

(4)本文と関連のある写真,図表等が本文から独立して別ページに印刷されている場合には,それらに対しても配列の順序に従ってページを付与する。

(5)表紙,目次,標題紙,広告等は本文ページには含めない。ただし,本文が記載されているページの裏側は,広告又は白紙等であっても,本文ページに含めたページを付与する。

(6)ページ付けに用いる数字は,アラビア数字とし,原則として,すべてのページに記載する。

(7)別冊,臨時増刊,付録等のぺージ付けは,それぞれの号で1から始まる別だてのものとする。

(8)別刷等に際しては,発行時のページ付けを変更してはならない。

4.4 発行年

(1)発行年又は発行の年及び月若しくは月日(以下これを“発行年”と呼ぶ)は,その号が実際に発行された年月日とし,西暦をアラビア数字で表記する。

(2)発行年は,巻又は号数の記載がある箇所に併記する。

4.5 発行者名,発行地名及び発行者所在地等

(1)発行者名に略称を用いてはならない。

(2)発行地名は,発行者の所在する都道府県名及び市町村名とする。

(3)発行者所在地は,郵便番号,番地等を含む完全なものとする。

(4)発行者以外に発売者,配布者等のある場合には,その果す役割を明らかにし,その名称及び所在地を発行者のそれに準じて記載する。

(5)和文誌における発行者及び発行地名には,ローマ字書き及び国際的に広く通用する言語による名称を付すことが望ましい。

4.6 目次

(1)目次は毎号一定の箇所に掲載し,表紙2の次のページ又は表紙1若しくは表紙4とする。

(2)目次が1ページに掲載しきれない場合は,原則として次のとおりとする。

(a)目次を表紙2 107d フ次のページに記載した場合は,その次のページに続ける。
(b)目次を表紙1に掲載した場合は,表紙4に続ける。
(c)目次を表紙4に掲載した場合は,表紙3に続ける。
(d)上記の場合,(次ページに続く)等の指示を与えることが望ましい。

(3)目次はその号に収録されている論文等の記事の標題,著者名及び掲載ページを正確に記載する。掲載ページは各論文の始めのページのほか,終りのページも入れることが望ましい。

(4)目次の掲載ページには,誌名,巻号数,発行年も記載する。

(5)和文誌においては,日本語による目次のほか,国際的に広く通用する言語による目次を一定の箇所に掲載する。

4.7 論文

(1)標題,著者名,著者の所属機関,抄録等の記載要領は,SIST 08「学術論文の構成とその要素」に従う。

(2)論文の第1ページには,誌名,巻号数,発行年,掲載ページをまとめて一定の箇所に記載する。

(3)論文等の受理又は採用年月日は,投稿規定等で定められた年月日を記載する。

(4)キーワードは,著者が投稿の際に付与したものを,編集者が手直しすることが望ましい。

(5)キーワードはそれぞれの雑誌で,基準となるものを規定することが望ましい。

(6)分類記号は一般に広く通用するものを使用することが望ましい。

(7)日本語で書かれた論文の第1ページには,下記の事項も記載する。

国際的に広く通用する言語による標題
著者が日本人の場合は,ローマ字書きの姓名
著者の所属機関の外国語表記及びローマ字書きの所在地
国際的に広く通用する言語による抄録

(8)外国語で書かれた論文には,下記の事項も記載することが望ましい。

日本語による標題
著者が日本人の場合には,著者名の漢字表記
著者の所属機関が日本語表記を持つ場合にはその表記

4.8 識別記号

(1)ISSNはすべての雑誌に記載する。その記載位置は,表紙1の右上の部分とすることが望ましい。

(2)CODENが存在する場合には,併記することが望ましい。

4.9 著作権

(1)著作権はその帰属を明確に記載する。

(2)著作権の表示は, の記号,著作権者の氏名及び著作物を最初に発行した年を記載する。

4.10 索引

(1)索引はその巻の最終号に付ける。掲載が遅れる場合又は別冊で発行する場合には,その旨を,その巻の最終号等に記載する。

(2)索引を含む号には,表紙等にその旨を明示することが望ましい。



5. その他

5.1 投稿規定

5.1.1 投稿規定の掲戴

 投稿規定は少なくとも毎年1回は誌上に掲載し,別刷り又は別冊として,常時請求に応じられるようにしておく。

5.1.2 投稿規定の項目

投稿規定には下記の事項を記載する。

(1)投稿者の資格

(2)その雑誌に掲載する論文の種類(原著論文,総説等),長さ(字数又は印刷ページ数)及び使用言語(和文,欧文等)

(3)論文の採用基準

(4)論文の受理又は採用年月日に関する規定

(5)原稿の書き方

(a)論文の第1ページの形式
(b)原稿用紙又はタイプ用紙の指定
(c)文字又はタイプ文字の指定
a4e id)図又は写真及び表の作り方
(e)用字用語,記号,符号等の基準
(f)参照文献の書き方
(g)著者抄録及びキーワードの書き方

(6)著作権の帰属に関する規定

(7)校正,別刷,掲載料等の規定

5.2 誌名の変更

 誌名を変更する場合は,巻又は年の区切りで行い,少なくとも,変更する前の号から誌名変更の予告を掲載し,更に,変更した号及びその直後の号の表紙に,旧誌名を付記する

5.3 雑誌の合併と分離

(1)2種以上の雑誌を合併する場合には,巻又は年の区切りで行い,誌名及び巻号数の継承は,下記のように行うことが望ましい。

(a)もとの誌名を残さない場合には,新しい雑誌は第1巻第1号又は第1号から始める。
(b)もとの誌名の一つを残す場合には,その誌名及びその巻号数を継承する。

(2)雑誌を2種類以上に分割する場合には,巻又は年の区切りで行い,誌名及び巻号数の継承は,下記のように行うことが望ましい。

(a)もとの誌名を残さない場合には,新しい雑誌はいずれも第1巻第1号又は第1号から始める。
(b)新しい雑誌の一つにもとの誌名が残る場合には,その雑誌にかぎり分割以前の巻号数を継承する。

5.4 発行順序の変更

 発行順序の変更又は休刊等,発行が規定どおりに行われない場合には,関連する号に,その事実を明確に記載する。

5.5 正誤表

(1)必要な場合には,誤りを生じた号又は次の号に正誤表を掲載する。

(2)正誤表を別刷りとして,雑誌にはさみこむ場合には,誌名(又は略誌名),巻号数,発行年を記載する。

(3)総目次の中には,各号の正誤表の掲載ページを記載することが望ましい。


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