エアバッグリコール費用は最大で2.7兆円、タカタが試算-関係者
エアバッグ問題を抱えるタカタはインフレータ(膨張装置)の不具合によるリコール費用が最大で2兆7000億円と試算していると、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
Takata
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
内部情報を理由に匿名で語った関係者によると、タカタは3月半ばに顧客である自動車メーカーと会合し、今後、硝酸アンモニウムを使ったインフレータが全てリコール対象となった場合、費用は2兆7000億円になるとの試算と伝えた。タカタ負担を100%と仮定した場合の試算であり、インフレータ対象数は最大で2億8753万個としている。
タカタ広報担当の松本英之氏はコメントを控えた。
タカタの試算は、調査会社ジェフェリーズの中西孝樹アナリストが2月のリポートで想定した1兆9200億円を上回る。タカタは昨年11月、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)と最大2億ドルの民事制裁金の支払いに応じると同意。異常展開を引き起こすと疑われている火薬成分の使用を2019年までに段階的に中止する予定。
タカタ株は報道を受けて一時、前日比100円(19%)安の414円と、値幅制限いっぱいのストップ安になった。