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アンノン・ゲーム

人生は未知のもの。だから、私は書き続ける-。

銀河英雄伝説・第5話「カストロプ動乱」感想

銀河英雄伝説

 

本編とあらすじ

 



銀河帝国の名門、カストロ公爵家

先の財務尚書であったカストロプ公オイゲンは、

その職権を乱用して私腹を肥やしていた。

 

その死に際し帝国は、その不正に得た資産の返還を求めた。

 

だが、カストロプ公の嫡男・マクシミリアンは、

これに反発し、その財力を背景にして反乱を企てた-】

 

マリーンドルフ伯フランツは、カストロ公爵家の一門だったが、

「このままでは家が滅びる」とマクシミリアンに諫言した。

 

しかし、マクシミリアンはまったく聞く耳を持たない。

 

彼が強気になっているのは、

フェザーン自治領から購入した「首飾りの衛星」によって、

どんな敵にも勝てると思っているからなのだ。

 

事実、先に討伐軍として派遣された帝国艦隊は、

「首飾りの衛星」によって、あっけなく撃破されていた。

 

マリーンドルフはフェザーンの策略だというが、

マクシミリアンによって人質にされてしまう。

 

ところが、マリーンドルフの言う通りで、

フェザーン自治領主のルビンスキーが、

アスターテで勝利した帝国の戦力を削ぐために、反乱を仕向けたのだった。

 

その頃、ラインハルトは元帥府を開き、

キルヒアイスの他に、7名の配下を抱えることになった。

 

いずれも平民や下級貴族から登用した軍人たちだった。

 

そんななか。

 

皇帝より勅命が下り、

カストロプ鎮圧の司令官としてキルヒアイスが任命される。

 

ラインハルトとは別行動になるのだが、

何やら裏で、帝国宰相のリヒテンラーデが動いているようだった。

 

キルヒアイスは、わずか2000の兵力で出撃したが、

彼には「首飾りの衛星」を破壊する秘策があった-。

 

台詞

 

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アンネローゼ【ジーク、いつも弟がお世話になっていますね】

キルヒアイス【いえ、私のほうこそ、お世話になるばかりです】

 

アンネローゼ【そんなことはありません。

ラインハルトは口にこそ出さないけど、あなたを本当に頼りにしています。

どうかこれからも、弟のことをお願いしますね】

キルヒアイス【恐縮です。私など・・・】

 

アンネローゼ【ジーク、あなたはもっと自分のことを評価すべきですよ。

ラインハルトには確かに才能があります。他の誰にもない才能が・・・

 

でも、ジーク。弟はあなたほど大人ではありません。

その瞳は遠くを見すぎていて、足元が見えなくなることがあるのです。

 

とくに・・・とくにラインハルトの道が戦いの道である以上、

その足元に何があるか、何によって築かれた道なのか、

それを忘れるようなことがあれば、

ジーク、そんなときはラインハルトを叱ってやって。

 

ラインハルトを諌めることができるのは、あなただけなのです。

 

もし、ラインハルトがあなたの言うことも聞き入れなくなったら、

その時は弟も終わりです。そして、ラインハルトが破滅する時は・・・】

 

キルヒアイス【・・・アンネローゼ様】

アンネローゼ【ごめんなさいね、ジーク。無理なことばかりお願いして・・・

でも、私には他に頼る人がいないのです・・・】

キルヒアイス【おまかせください、アンネローゼ様。

私にできる限りのことは、この身に代えましても】

 

感想

 

反乱した貴族との戦いを描いていますが、

のちの伏線になる台詞や、重要な登場人物が出てきています。

 

ラインハルトの指揮下に入ったのは以下の面々です。

 

アウグスト・ザムエル・ワーレン

コルネリアス・ルッツ

カール・グスタフ・ケンプ

フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト

エルネスト・メックリンガー

ウォルフガング・ミッターマイヤー

オスカー・フォン・ロイエンタール

 

この時点では紹介のみですが、

彼らは数々の会戦で活躍して物語を大いに彩ります。

 

それにしても、カストロプ公爵は小人でしたね。

 

己の欲しか頭にない貴族であり、

ただ威張るだけで、一門も配下もまったく信頼していませんでした。

 

だから、最期は惨めなものになりました。

 

「首飾りの衛星」は自由惑星同盟の首都星にも同じものがありますが、

その防御力は絶大です。

 

一枚岩でないカストロプ陣営も、最初はそのおかげで勝てましたが、

なくなってしまえば、どうすることもできないですよね。

 

しかし、あのどうしようもない公爵に降伏を勧告したキルヒアイスは、

本当に公明正大で優しい人です。

 

彼のそういった人柄を知っているからこそ、

アンネローゼは安心して弟のことを任せられたんですよ。

 

ラストでマリーンドルフの娘・ヒルダが登場しましたが、

彼女も重要人物のひとりです。

 

キルヒアイスとヒルダが面会しているのは、この時だけなんですね。

銀英伝本編の結末を知る筆者は、少しだけ寂しい気持ちになりました。

 

 

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