2016-03-17
ショーンマジックについて考える
ごきげんよう。
ショーンK氏の学歴詐称について話題になっているようだ。
僕はこのショーンKという人自体騒ぎになって初めて知ったから完全に乗り遅れてる組なのだけど、ずいぶん人気者だったようだ。
一緒に仕事をしたことのある著名人などもコメントを出したりしているが、彼を知ってる人達の談話は概ね「学歴詐称はよくないけど彼は話も上手い男前なのは確かだよね」というものである。
ぶっちゃけスキャンダルになるまで知らなかったから流していたのだけれど、ちょっと目に入って面白かったのが、テリー伊藤さんが言っていた「ショーン川上氏は簡単なことを難しく言う(http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/03/16/kiji/K20160316012223690.html)」というコメントだ。
あぁなるほどなぁ。この手を使う人だったのかぁ。と。
この逆で「アタマのいい人は難しいことを簡単に(シンプルに)説明できる。」という話は割とよく聞く。
池上彰さんなんかが代表的なイメージだろう。
「難しいことを簡単に説明すること」と同様、もしくはそれ以上に「簡単なことを難しく言うこと」に需要があることは実は古くから知られていて特にエンターテイメントの世界で利用されている。
そもそもからみあった難解な事象を解き明かす為に学問にいそしむのがインテリジェンスなのだろうけど、僕ら中途半端な人間はむしろ「大して意味のない事に実は深い意味がある」ように勘違いして、努力せずに学問に触れた「気分になる」というエンターテイメントが大好きなのだ。
多分「ショーンK」のマジックショーはそういった類のものだったのだろう(見たことないから想像だけど)。
イケメンハーフ風の見た目に騙された!みたいな話もあるが、「イケメン」はいくらでもいるからやはりそれだけではないと考えたほうがよいだろう。やはり「ショーンマジック」があったと考えるのが妥当ではないか。
むしろ、テリー伊藤さんが言うところの「ショーンマジック」とは何か?について考えながら、ショーンマジックを学ぶことで僕らも人気者になれないか?を考える方が有益そうだ。
「衒学(げんがく)」という言葉がある。衒学とは学問や知識がある事を披露して自慢することで、平たく言うと「知ったかぶり」である。
通常「知ったかぶり」は嫌がられるものなのだが演出と共に行うとむしろ非常に歓迎され拡散されていく性質を持っている。
そしてそのことを知ってワザとやる人達がいる。
近年その手法で一番成功したのはエヴァンゲリオンの庵野秀明氏だろう。数年前のNHKのトップランナーという番組で庵野氏は「自分にとってフィルム作りとはサービス業であり、客に何かしらの満足感を感じてもらえるものを作りたいと思っていて、 エヴァの衒学的なストーリーもそのためである。」と大ヒットコンテンツとなったエヴァンゲリオンの謎に満ち、時に不条理なストーリーはそれ自体に真理も哲学もなく、「なんだか難しくスゴそう」であると感じてもらうこと自体が目的であったと語っている。
「ショーンマジック」はそれをビジネスコンテンツに応用したテクニックなのだが、ショーンKはこれがツボに入ってしまいシャレで済まないところまで売れてしまったのだろう。
通常ならこういうのに騙されないようにしましょうね。という話になるのかもしれないけれど、僕は「人の心をざわつかせ」、「無視できなくし」、「誰かに話題にしてもらう」為のテクニックとしてこの手法はむしろ僕らが生き残る為の一つのテクニックとして理解し、適切に利用すべきだと思う。
僕は常にアカデミックなアプローチや体系立てた勉強をされてきた人達に敬意を持って居るつもりだけど、必ずしもそういう人達が「バカに対して伝わるように」話をし、「バカを動かし社会を変える」ことに積極的であるようには見えないこともある。むしろまともな人ほどその傾向があるような気すらする。
頭の良い人は「難しいことを簡単に教えてくれる」が、それはぼくらが昼休みのひと時に求めているものではない。
僕らが欲しいのは宇宙の真理ではなく、僕らに手の届かなかった「学問」という宇宙の中に僕らも一時でも混ぜてもらえたような錯覚なのだから。
体系立てて物事を学んだ「ちゃんとした学歴のある人」が、難しいことを一度シンプルにした上で、仕上げのひとツマミのスパイスのように素人や無学な人間が食いつく程度に衒学的な要素を入れてあげれば、今まで何度説明してもピンと来てなかった人達が食い入るように話に聞き入るだろうし、言ったとうりに面白いように動くと思う。
メディア上で悪貨が良貨を駆逐するのはよくある話であり一番被害をこうむるのは、中身のない話を有難がって時間とお金を無駄にする僕ら、アカデミックなものに無縁で日々を現場で悪戦苦闘している人間だから、ホンモノの人には是非気乗りしなくてもそういうことを慈善事業のつもりでやって欲しい。
あと、そういう意味では衒学的なものに、むしろ本物が途中からツッコミを入れたり補足したりしてくれるツイッターなどの方が見る側が多少の目利きが効けばよっぽどまともな話を分かりやすくしているように思えるという話もある。
まともなインテリとショーンマジックを使うエンターテイナーがうまく相互に補完をしあってることもしばしば見えるからだ。
まぁ僕は明らかに「エンターテイナー」側だけど、そういうエンターテイメントに需要があることは実感しているし、僕はさほど興味ないけど、うまくすればそういうのでお金を稼ぐことだってできるだろう。
有用な技術だと言えると思う。
蛇足だが「ショーンマジック」を「コンサルティング」そのもののように言ってるコメントも流れてきたけど、僕も以前似たようなことを言って一度コンサルタントをしている妻に超残念な人を見る目で見られたのでやめた方がよさそうだ。
妻曰く「些末な手法やコンサルティングベーシックをコンサルティングの本質のように語るのはコンサルティングを理解していない人達の典型的な言い草だからまともな人達にバカにされるし恥ずかしいから止めなさい。」とのこと。すいません。
コンサルティングじゃなくてエンターテイメント。
間違わないようにします。
さて、今日はここまで。
今日も持ち場で頑張りましょう。
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