公開日付:2016.03.15
~自主廃業方針から一転、破産~
2月5日、自主廃業の準備に入っていたことを公表していた(株)太洋社(TSR企業コード:290893208、法人番号:9010001049176、千代田区外神田6-14-3、登記上:中央区銀座2-2-20、設立昭和28年8月、資本金1億8000万円、國弘晴睦社長)は3月15日、東京地裁へ破産を申請し同日開始決定を受けた。破産管財人には深山雅也弁護士(深山・小金丸法律会計事務所、新宿区西新宿1-25-1、電話03-6880-3840)が選任された。
負債総額は76億2964万円(平成28年6月期中間決算時点)だが、変動する可能性がある。
昭和21年3月に創業した中堅の出版物取次業者。書籍・雑誌のほかCDなどのメディア、雑貨などを扱い、千代田区神田小川町と埼玉県戸田市に商品センターを設け、全国で1000店を超える書店を得意先としていた。ピーク時の平成17年6月期には売上高486億6721万円をあげていたが、バブル経済崩壊以降の出版業界全体の需要減少に加え、インターネット通販や電子媒体普及により得意先の中小書店への売上が落ち込み、扱い出版物は次第に減少した。このため、売上は徐々に低下し、27年6月期の売上高は171億2152万円にまで落ち込んだ。赤字を散発し、10億円以上の繰越欠損を抱え、財務立て直しのため旧本社不動産(文京区)を売却していた。しかし、売上減少に歯止めがかからず、従業員のリストラや新狭山センター閉鎖などによる再建を模索したものの奏効せず、2月5日に自主廃業に向けた動きに入ることを公表していた。
2月22日、取引先へ「中間決算書送付および弊社の状況ご報告」を通知した。通知によると、平成28年6月期の中間決算(27年12月31日時点)では純損失1億9,441万円を計上したほか、取引書店に対する売掛金の焦付き予想が大幅に狂ったことから、当初の予想と大きく相違し、財務内容が想定以上に悪化していることが判明した。帳合変更先の書店への支払いができなくなる恐れが生じていると公表し、一気に信用不安が拡大。その後、大口取引先の(株)芳林堂書店(TSR企業コード:291041370、法人番号:9013301011177、豊島区西池袋3-23-10、設立昭和23年3月20日、資本金2000万円、齋藤聡一社長)が2月26日、東京地裁へ破産を申請したことで、約8億円の焦付が確定した。また、廃業を除き、96.5%の帳合変更が完了したが、約2億円の帳合変更に伴う未回収が生じ、万策尽きたことから自主廃業を断念し、破産を申請した。
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