[PR]

 クリントン前米国務長官が長官に在任中の2010年11月、北朝鮮の核施設を視察した米国人研究者の報告を受け、「極めて憂慮すべきことだ」と懸念を示していたことがわかった。ウラン濃縮の技術などが米国の予想よりも早いペースで進んでいたことに危機感を持ったとみられる。

 クリントン氏が長官時代に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題をめぐり、国務省が26日に公開したメールから明らかになった。

 メールは10年11月13日に国務省幹部からクリントン氏に送られており、機密に指定されている。その直前に北朝鮮に招かれて寧辺(ヨンビョン)の核施設を視察した米スタンフォード大のヘッカー教授の報告が記されている。

 それによると、ヘッカー氏は、ウラン濃縮施設と建設中の実験用軽水炉があるのを見て、「ショックを受けた」と述べている。これを受け、クリントン氏は同年11月23日、ヘッカー氏と面会して詳しい報告を聴取。対応を検討するように指示を出したという。(ワシントン=峯村健司)

こんなニュースも