予は始め、今回のアメリカ大統領選にはほとんど興味がなかった
なんだかんだいってアメリカ国民は現状に満足していると思ってたんだよね。結局一部にはものすごい問題があっても全体として社会に満足していたら、世の中というのは変わらないわけです
アメリカ社会というのはいろいろ問題があるんだけども、なんだかんだいってアメリカン・ライフというのは楽しい(fun)わけですよ。問題もたくさんあるけれども、楽しい事もたくさんある
いい事もたくさんあるんだから、一部で問題があるのも仕方がないよね、というのが平均的なアメリカ人の感覚だったと思う
だから、これだけ社会問題が積みあがってもアメリカの政治というものはほとんど変わらないように見えた。政治家もそうだし有権者もそう
前回の大統領選で、ミット・ロムニーは大っぴらにDon't demonise the rich(金持ちをいじめるな)などと言っていた
「金持ちは経済を成長させます。金持ちは雇用を作ります」
だからアメリカ人は金持ち(と金持ちがやっている事)を称賛するべきなのだ、というのがロムニーの議論だった
Rehman Crysis(リーマン・ショック)関係の醜聞がまだ毎日のように報道されているのに、そういう事をいえばアメリカの大統領になれると本当に思っていたわけです
それを見て、世の中のほとんどの人はアメリカの政治というのは当分の間、これまで通りにズルズルと続いていくんだろうな、と思ったんじゃないでしょうか
普通ならばオバマの次は共和党政権になるんだろうけど、共和党の候補者はどれもいまいちだからヒラリーなのかな? みたいな
しかし、実際に大統領選になったら全然違いましたね
トランプもサンダースも、どちらも公共投資の拡大と富裕層に対する増税をおおっぴらに語っている
ようするにアンチ構造改革です
そういうことを言う候補者がものすごい勢いで支持を集め始めている
今回の大統領選挙はアメリカのみならず全世界的に重大な意味をもつ選挙だと思います
アメリカの政治文化の影響というのは、少し遅れて全世界に波及します
これまで構造改革の必要性を主張していた人たちは、アメリカが構造改革をしているからそう言うことをいっていた
もしアメリカで、構造改革というのは間違いだった! という事がコンセンサスになれば、そういう人たちは相当困るはずです
だって、アメリカですらうまくいかないんですよ
というかそれ以前に、アメリカ様にケチをつけるのか! という事になりますからね
いままで構造改革でメシを食ってきた連中は、なんとしてでもルビオに勝ってほしいと思います
とにかく!
アメリカで起こっていることはしばらくして日本にくるんで、今回の大統領選は注目していいと思います
おわり!