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アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

言葉が分からなくても外国で道を訊ねる方法

心惹かれるもの

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以前、「後輩の女の子から教わった究極の健康法」でご紹介したSさんはエピソード(むしろ伝説)の多い方です。

 
ワタシがよく読む(しかし役には立っていない)自己啓発やら心理学の本には、大抵「一喜一憂しないように」とか「淡々と生きるように」と書いてありますが、現実にそれができている稀有な例で、客観的に見ると「そんな目に遭って大丈夫だったの!?」というようなことでも、「そんなことがあったんですよ」と、前世の話でもするようです。


ちなみに戦友のMさんもこのタイプで、ワタシが友人たちから「マグロ(立ち止まると死ぬ)」「イノシシ(後先見ずに突っ走る)」と評されるせいか、自分とは真逆の方が大好きです。
もちろんオコジョさん(夫)もこのグループです。


さて、Sさんは以前パリに行きました。
人が創った物よりも自然がお好きな方なので、パリよりは南欧のほうがお気に召したようですが、ま、パリでヴェルサイユに行こうとしたのですよ。
電車でね。
しかし外国において自力で電車の切符を買い目的地に行くというのは、考えただけでハードルが高いです。
ちなみにワタシが同じ状況になったら、まず事前に言葉の分かる人を確保して、その人に連れっていってもらいます。
イノシシの割にその辺りは用意周到です。


さてSさんは、切符を買う段になってどうしたかというと、道行く人を呼び止めて、どうすればいいのか訊ねたそうです。
もちろん日本語で。
無駄に外国の知識があると、フランス人に英語で話しかけても駄目なんじゃないかと考えたりもするのですが、英語どころか日本語で訊いたのです。


Sさん「日本語しか分からないので」


確かにそうですが、物凄い度胸です。
が、彼女にとっては当たり前。
そしてその方は、ちゃんとヴェルサイユ行きの切符の買い方を教えてくれたそうです。
ちなみにヴェルサイユはなかなか良かったそうです。


次はペルー。
スペイン語も分からないので、もちろんここでも日本語で道を訊ね、タクシーに乗り目的地まで行ったそうです。
どうして通じるのでしょう。
彼女のただものではないオーラは万国共通で、何事か訊かれたら何が何でも答えずにはいられないということなのでしょうか。


Sさん「親切そうな人を探せばいいんですよ」


彼女が言うと簡単そうですが、あまり簡単な気がしません。
今夏は南アフリカに行くそうで、新たな武勇伝が楽しみです。

 

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