在韓米軍はPAC2とPAC3、合わせて64基のミサイルを烏山・群山・水原などに配備している。在韓米軍のPAC3は、近隣地域に落下する北朝鮮のミサイルの残骸などを迎撃できるが、射程が数十キロ(射高は1万5000メートル)にすぎず、米軍基地を中心として守ることしかできない。ある消息筋は「韓米のパトリオットミサイルの能力や配備先などを考慮すると、北朝鮮のミサイルの残骸が韓国首都圏や各地の米軍基地周辺に落下するのでなければ、迎撃は難しいだろう」と語った。このため、海軍など韓国軍の一部からは、パトリオットや終末段階・高高度防空ミサイル(THAAD。射高40-150キロ)よりも射高があるSM3ミサイルを導入し、イージス艦に搭載すべきだという主張も出ている。現在、韓国海軍のイージス艦は1000キロ先から飛来する北朝鮮のミサイルを探知できる能力を備えているが、迎撃手段のSM3はない。これに対し、北朝鮮のミサイルの軌道を追跡するため韓半島(朝鮮半島)近海に配備された米第7艦隊のイージス艦はSM3を積んでおり、パトリオットよりはるかに高い位置(500キロ以上)で迎撃ができる。
日本も、北朝鮮のミサイルが自国領に入り込んだ場合に迎撃するためイージス艦3隻と地対空ミサイルを大挙動員するなど、慌ただしい動きを見せている。日本はパトリオットPAC3を、東京の防衛省など首都圏と沖縄南方の南西諸島に展開させた。しかし北朝鮮のミサイルの飛行方向は、東京はもちろん沖縄からも遠く離れているため、この行動はおおむね「政治的見せ物」的な性格のものと分析されている。
東海(日本海)に1隻、東シナ海に2隻配備されている日本のイージス艦のSM3ミサイルは、実際に北朝鮮のミサイルを迎撃できる能力を備えている。しかし国際規範などを考慮すると、日本が自国の領空・領土を侵犯せずに飛行するミサイルを迎撃する可能性は低い、と指摘されている。