2015年テレビで一番笑いを取った芸能人
ベスト100位から81位
順位 合計 名前 出演本数 1番組平均笑い
100位 650笑 山口達也(TOKIO) 214番組 (平均3笑/番組)
99位 651笑 加山雄三 198番組 (平均3.2笑/番組)
98位 654笑 指原莉乃(HKT48) 271番組 (平均2.4笑/番組)
97位 656笑 堺正章 130番組 (平均5笑/番組)
96位 658笑 川島明(麒麟) 184番組 (平均3.5笑/番組)
95位 663笑 鈴木奈々 267番組 (平均2.4笑/番組)
94位 669笑 篠原信一 154番組 (平均4.3笑/番組)
93位 676笑 又吉直樹(ピース) 211番組 (平均3.2笑/番組)
92位 682笑 相葉雅紀(嵐) 210番組 (平均3.2笑/番組)
91位 692笑 石橋貴明(とんねるず) 41番組 (平均16.8笑/番組)
90位 703笑 宮根誠司 285番組 (平均2.4笑/番組)
89位 710笑 南原清隆(ウッチャンナンチャン) 241番組 (平均2.9笑/番組)
88位 715笑 児嶋一哉(アンジャッシュ) 241番組 (平均2.9笑/番組)
87位 722笑 タモリ 115番組 (平均6.2笑/番組)
86位 725笑 飯尾和樹(ずん) 168番組 (平均4.3笑/番組)
85位 726笑 原田泰造(ネプチューン) 174番組 (平均4.1笑/番組)
84位 742笑 二宮和也(嵐) 153番組 (平均4.8笑/番組)
83位 763笑 秋山竜次(ロバート) 166番組 (平均4.6笑/番組)
82位 768笑 ビビる大木 319番組 (平均2.4笑/番組)
81位 776笑 小木博明(おぎやはぎ) 294番組 (平均2.6笑/番組)
スキマ 昨年末にテレビ番組『時間がある人しか出れないTV』(TBS)で、2015年の1年間で、民放キー局で放送されたテレビ番組で笑いを取った数を集計するというこの鬼のようなランキング「2015年テレビで一番笑いを取った芸能人ベスト100」が発表されました。これはどのように調査したんですか?
高田脩(以下、高田) まず“時間がある”若手芸人さん、通称「TVウォッチャー」※ に集まってもらって、彼らにただただひたすらテレビを見てもらいました。調査の対象は2015年に民放キー局で放送された18,483番組。時間にすると20,791時間ですね。
※ 『時間がある人しか出れないTV』の番組内で調査する芸人さんを「TVウォッチャー」と呼ぶ
スキマ 2万時間! 果てしなすぎて想像できない!
高田 日にちに換算すると約2年5ヶ月分ですね。その中から共演者、スタッフ、お客さんなど誰かを笑わせた回数をカウントしました。
2015年テレビで一番笑いを取った芸能人
ベスト80位〜61位
80位 786笑 名倉潤(ネプチューン) 225番組 (平均3.4笑/番組)
79位 796笑 田中卓志(アンガールズ) 256番組 (平均3.1笑/番組)
78位 819笑 羽鳥慎一 387番組 (平均2.1笑/番組)
77位 830笑 中田敦彦(オリエンタルラジオ) 248番組 (平均3.3笑/番組)
76位 858笑 DAIGO 258番組 (平均3.3笑/番組)
75位 864笑 井戸田潤(スピードワゴン) 167番組 (平均5.1笑/番組)
74位 887笑 東貴博 222番組 (平均4笑/番組)
73位 889笑 中山秀征 174番組 (平均5.1笑/番組)
72位 895笑 木梨憲武(とんねるず) 58番組 (平均15.4笑/番組)
71位 896笑 矢部浩之(ナインティナイン) 214番組 (平均4.1笑/番組)
70位 918笑 春日俊彰(オードリー) 361番組 (平均2.5笑/番組)
68位 921笑 藤本敏史(FUJIWARA) 129番組 (平均7.1笑/番組)
68位 921笑 林修 334番組 (平均2.1笑/番組)
67位 928笑 櫻井翔(嵐) 193番組 (平均4.8笑/番組)
66位 970笑 堀内健(ネプチューン) 207番組 (平均2.1笑/番組)
65位 1066笑 村上信五(関ジャニ∞) 261番組 (平均4笑/番組)
64位 1079笑 所ジョージ 208番組 (平均2.1笑/番組)
63位 1081笑 いとうあさこ 214番組 (平均5笑/番組)
62位 1094笑 太田光(爆笑問題) 208番組 (平均5.2笑/番組)
61位 1100笑 恵俊彰(ホンジャマカ) 290番組 (平均3.7笑/番組)
レースは諦めてくれ
スキマ そもそも企画の発端は?
高田 レギュラー(2015年1月~3月放送)のときに、「年末年始のTV番組で最も笑いを取った芸能人は?」(1月27日放送)をやって、その一年間版はやりたいって思っていたんです。
スキマ そんな長いスパンの企画ですが、すんなり通ったんですか?
高田 すんなりかどうかはわかりませんが、担当の人がおもしろいじゃないって言ってくれて通してもらいましたね。
スキマ やっぱいまのTBSの編成はいい意味で狂ってますね(笑)。
テレビを見て笑いをカウントする「TVウォッチャー」の初期メンバーはフルパワーズ(福永洋一、大内崇史)と畠山さん、早出さん(人力舎所属の早出明弘)の4人ですね?
高田 はい。これをやると芸人である彼らの時間の大部分を奪ってしまうことになる。ネタを作る時間もなくなるから賞レースも諦めなければならないかもしれないけど、それでもやりますかって聞いたんです。
スキマ 確かにネタを作る時間はなくなりますね。
高田 でも彼らは「やります!」って即答でしたね。
スキマ フルパワーズはこの番組のレギュラー時代の「年末年始~」や「ワイプ女王決定戦」の企画でも参加されていて調査結果の分析が鋭くて印象的でした。
高田 彼らはオーディションのときから超ヘンな子で。福永くんはもともとNHKの朝のニュース番組を毎日起きてメモするのが習慣だって言ってて、頭のおかしな奴だなって思いましたね(笑)。「キミみたいな子を探してたんだよ!」と。
スキマ 他の芸人さんたちはどのように選んだんですか?
高田 たとえば早出さんとかはオーディションしたらこんなおもしろい人がまだ眠ってたんだって、ネタじゃないきっかけを与えられたらと思ったんです。
そもそも『時間がある人しか出れないTV』は、ネタじゃない才能を持った若手芸人が出れる番組を作りたいと思って作った番組なんです。ネタを作る才能とテレビで輝く才能ってまたちょっと別なんですよね。若手芸人はネタでしか出れるところがないのに、そのネタ番組も企画書を作っていた当時は少なくなってきていたっていう状況だったので。
スキマ 本当に最近はネタ番組すら減って若手芸人が出る場がほとんどないですからねえ。最終的に「TVウォッチャー」は総勢12人ですね。
高田 はい。2度増員しました。選んだ基準は、そもそもテレビは好きかとか、ちょっと目線があるかとか。結果として“究極のテレビっ子芸人”をえりすぐった感じになりましたね。
2015年テレビで一番笑いを取った芸能人
59位〜40位
59位 1128笑 岡田圭右(ますだおかだ) 301番組 (平均3.7笑/番組)
59位 1128笑 伊達みきお(サンドウィッチマン) 250番組 (平均4.5笑/番組)
58位 1139笑 田村淳(ロンドンブーツ1号2号) 93番組 (平均12.2笑/番組)
57位 1202笑 松嶋尚美 167番組 (平均2.1笑/番組)
56位 1209笑 近藤春菜(ハリセンボン) 350番組 (平均2.1笑/番組)
55位 1212笑 小峠英二(バイきんぐ) 201番組 (平均2.1笑/番組)
54位 1228笑 綾部祐二(ピース) 258番組 (平均2.1笑/番組)
53位 1245笑 カンニング竹山 284番組 (平均2.1笑/番組)
52位 1248笑 博多華丸(博多華丸・大吉) 313番組 (平均3.9笑/番組)
51位 1256笑 出川哲朗 189番組 (平均6.6笑/番組)
50位 1277笑 ビートたけし 260番組 (平均4.9笑/番組)
49位 1317笑 東野幸治 180番組 (平均7.3笑/番組)
48位 1333笑 石塚英彦 155番組 (平均8.6笑/番組)
47位 1339笑 ケンドーコバヤシ 197番組 (平均6.8笑/番組)
46位 1366笑 矢作兼(おぎやはぎ) 322番組 (平均4.2笑/番組)
45位 1375笑 陣内智則 241番組 (平均5.7笑/番組)
44位 1392笑 徳井義実(チュートリアル) 184番組 (平均7.5笑/番組)
43位 1425笑 香取慎吾(SMAP) 155番組 (平均2.1笑/番組)
42位 1451笑 内村光良(ウッチャンナンチャン) 202番組 (平均7.1笑/番組)
40位 1516笑 トシ(タカアンドトシ) 291番組 (平均5.2笑/番組)
40位 1516笑 タカ(タカアンドトシ) 334番組 (平均4.5笑/番組)
テレビタレントのナンバー1を決める
スキマ 具体的に調査はどのようにして行ったのですか?
高田 TBSに集まってもらって、録画したものを見る感じですね。調査中は、会社員みたいになってましたね。スタッフルームが一緒のところにあるんで、彼らも普通にスタッフだと思われてマネージャーさんに売り込みされてました(笑)。
スキマ アハハハ! 売り込みたいのは自分たちなのに。
高田 「ウチのタレントをよろしくお願いします」って資料とかを渡されるっていう(笑)。
調査する番組は福永くんが日テレや岡村(隆史)さんの番組とか、誰々はこの時間帯の番組とか、おおまかな分担はあったんですけど、飽きちゃわないようにシャッフルしながらやってました。
スキマ ドラマ、スポーツ、報道番組などは除外されていましたね。ただ、ネタ番組も除外していましたが、それはどうしてでしょうか?
高田 これは誤解を受けやすいので番組では敢えて説明を省略したんですけど、ネタの部分は除外して、ネタ前後のトークで笑いをとった場合はカウントしました。それには大きな理由があって、「お笑いの賞」ではなくて「テレビの賞」にしたかったんですよ。あくまでも“テレビタレントのナンバー1を決める”っていう企画主旨なんです。
スキマ なるほど。ネタは別だと。
高田 もちろんネタがおもしろいっていうのは芸人として重要な要素ですけど、テレビ番組でテレビタレントとして求められるのはそういった部分以外のところの場合が多い。だからネタ自体はちょっと分類として違うぞっていうのがあったんで。だから、ネタ番組以外で、バラエティの最中にネタをやった場合はカウントをしているんです。
スキマ なるほど。番組中もおっしゃっていましたけど「ツッコミはそれで笑いが大きくなったときだけカウント」というルールとか調査する上で微妙な判定を要する部分もあったと思いますが。
高田 そこは難しいところではありました。でも、笑いの判定自体は誰がやっても一緒になりましたね。みんなでいちばん最初に研修期間をして、一緒に揃うようになって「TVウォッチャー」デビューさせるようにしました。
スキマ 研修! 徹底してますね。
高田 やっぱりランキングは厳密にしたかったんです。でも、いまのテレビって笑いが比較的わかりやすいんです。だから迷うってことはあんまりない。明らかに笑ったりしてるんで。
スキマ あー、確かに。視聴者に笑いどころがわかりやすくなってますもんね。
高田 でもルール上、浜田(雅功)さんのツッコミとかはカウントが少なくなっちゃうんですよ。松本(人志)さんのボケが強力すぎてキッチリそれだけでオチるんで。逆にタカアンドトシさんとかはトシさんがツッコんで初めて笑いが起きるっていうのがあるので、そういう場合はトシさんにもカウントされる。
スキマ タカトシさんは二人とも同じ回数で40位という奇跡もあって。
高田 あれはびっくりしましたねえ。これじゃ逆に嘘くさいなって思って、すごい何度も確認してもらったんですけど、やっぱり同数で。でも、ちゃんと調査した結果なんで曲げるわけにはいかないのでその通り発表しました。
スキマ 調査した結果はノートに記録されていましたね。
実際に記録したノート
高田 ダンボールいっぱいになりました。100冊以上はありますね。それをもとにデータを集計したスタッフは異常に芸能人の名前をくわしくなりました(笑)。フルネームとか所属グループとかを。
実際に記録したノートの山
スキマ 思わぬ副産物(笑)。調査の範囲は芸能人に限ってたんですか?
高田 いや、芸能人のお父さんお母さんとかも入ってます。番組中でも100位以下の順位をロールで流してたんですけど、ギリギリ入らなかったんです。小島よしおさんのお母さんとかね(笑)。
スキマ 番組ではTVウォッチャーたちがランキング入りした人たちの笑いの取り方も紹介していました。たとえばFUJIWARA・藤本さん(68位)について「笑いを取ったのはだいたい“パクリのギャグ”か“嫁ネタ”だった」とか。
高田 いざランキングが出てから、やっぱり気をつけたのはテレビをそんなに見ない人でも見てもらえるようにしたいって考えたんです。だから、調査した芸人さんたちにも一般の人にもおもしろいって思ってもらえるネタをピックアップしてくれってお願いしました。
スキマ ランキングを見ても、TVウォッチャーがピックアップしたものを見ても、分かりやすいメジャーな笑いの強さを痛感しました。
高田 マニアックなネタもおもしろいんですけど、今回はより多くの人に刺さる威力のある笑いを選んでもらいました。
スキマ 芸人さんたちにとっても今後テレビに出るうえで勉強になったんじゃないですかね。
高田 そうだとうれしいですね。調査している最中は芸人さんたちに刺されるんじゃないかっていう覚悟はしましたけど(笑)。
次回、ベスト39位〜1位のランキングと共に、後編は2/18公開予定!
高田脩(たかだおさむ)
TBSバラエティ制作部、プロデューサー/演出/ディレクター。『水曜日のダウンタウン』ディレクターを担当する他、『時間がある人しか出れないTV』『謝りたい人がいます。』『芸能人パワー注入!』 などを手がける。過去の担当に、『ザ・イロモネア』『クイズ☆タレント名鑑』『炎の体育会TV』などがある。
構成:てれびのスキマ(戸部田誠)