アジア・サッカー連盟23歳以下選手権(AFC U-23)準決勝のカタール戦で、後半35分から出場し大活躍したのがファン・ヒチャンだった。ファン・ヒチャンは1-1の緊迫した状況から韓国を3-1の勝利に導いた立役者でもあった。
ネットでは「15分間、FCバルセロナのスアレスが韓国代表に加わったように感じた」といった書き込みが見られるほど、国民はファン・ヒチャンの活躍に熱狂した。ファン・ヒチャンは普段から目標とする選手としてスアレスの名前を挙げている。華麗で頭脳的なプレースタイルがお気に入りのようだ。ネットでは「本当にスアレスそっくりだ」「孫興民(ソン・フンミン)=トッテナム・ホットスパーFC=以来のクラック(試合の流れを変えられる選手)が登場した」といった書き込みが相次いだ。
これまでファン・ヒチャンは国際試合で目立った活躍はできなかった。ファン・ヒチャンは世代別の韓国代表に選ばれ続けてきたが、FIFA(国際サッカー連盟)のU17、U20ワールドカップにはいずれも出場の機会はなかった。そのため今大会でファン・ヒチャンはオリンピック出場に向け強い執念を持っていた。
所属するオーストリア・ザルツブルクの社長はわざわざ韓国に来て、U23の申台竜(シン・テヨン)監督に「ファン・ヒチャンを出場させなければならないか」と尋ねた。しかしファン・ヒチャン本人の出場の意志が固く、またシン監督もザルツブルク側を強く説得し、最終的にファン・ヒチャンの出場が決まった。ただしオリンピック出場が決まったらチームに戻ることが条件だった。そのためファン・ヒチャンはカタールに勝った直後、直ちに飛行機でオーストリアに向かった。ファン・ヒチャンと同じくザルツブルクに所属する日本の南野も同じ条件だったため、準決勝終了後は直ちに所属チームに戻った。