成功したスタートアップから学ぶビジネスモデルの設計方法「リーン・キャンバス」とは
オウンドメディアやソリューション構築において、ビジネスモデルを作成・検討している方も多くいるのではないでしょうか。
そんな方々のために、今回は成功するスタートアップに学んだビジネスモデルの設計方法「リーン・キャンバス」を解説します。
リーン・キャンバスとは?
リーン・キャンバスを設計したアッシュ・マウリャの著書「Runnnig Lean」では、下記図のように、以下の要素を1ページに盛り込んだビジネスモデル図を意味します。
記述する際は、①から順に記載していきます。
① 課題…上位3つの課題
② 顧客セグメント…ターゲットにする顧客
③ 独自の価値提案…差別化要因と注目に値する価値を説明した単一で明確な説得力のあるメッセージ
④ ソリューション…上位3つの機能
⑤ チャネル…顧客への経路
⑥ 収益の流れ…収益モデルや顧客障害価値など記載
⑦ コスト構造…顧客獲得コストや流通、ホスティングにかかるコスト、人件費など
⑧ 主要指標…計測する主要活動
⑨ 圧倒的な優位性…簡単にコピーや購入ができないもの
リーン・キャンバスを活用するメリット
このリーン・キャンバス、従来の数十ページや数ヶ月かけて作る事業計画書と相対的に比較してみると、活用するメリットが鮮明に分かります。
| 項目 | リーン・キャンバス | 従来の事業計画書 |
|---|---|---|
| 作成までにかかる時間 | 1日、早ければ半日以下 | 数週間~数ヶ月 |
| 携帯・共有のしやすさ | いつでもどこでも可能 | 限られた時間帯や場所になりがち |
| 分かりやすさ | すぐに把握できる | 数十ページを見てようやく把握できる |
リーン・キャンバスを書くにあたっての方針
前述の9つの項目の書き方は別途解説しますが、全体方針として以下を心掛けるようにしましょう。
①一気に書く
正解は無かったり、また思考錯誤しながら書いたりしがちなので、時間を決めて書くことをオススメします。
「Running Lean」においては15分以内を推奨しています。
②空欄は問題ない
キャンバスは時間をかけて進化するドキュメントなので、最善の答えが無くとも問題ありません。
今、考えていることと現時点で分かっていることをとりあえずすべて書き出し、空欄部分は後のプロセスにある「リスクの高い部分を見つける」や「テスト」フェーズで対処すればいいのでするようにしましょう。
③簡潔に書く
1枚に書ききらなければいけないので、本質のみを抽出して書くようにしましょう。
また、リーン・キャンバスは相手に分かりやすく伝えるという点も非常に重要なので、その点も考慮して書くようにしましょう。
④顧客主導型で設計する
Running Leanでは、あらゆる製品をターゲットとした製品を設計・構築・出荷することはできないという概念は存在しません。
よって、「顧客=製品にお金を支払ってくれる人」をターゲットとして設計するようにしましょう。
そもそもリーン・キャンバスが生まれた背景
2000年以降、インターネットはもちろん、クラウドコンピューティング等の普及により、たった数ヶ月でサービスを立ち上げることが可能になったり、開発や制作にかかるコストも格段に安くなったりなど、誰でも・いつでも・どこでも“スタートアップ”できる環境が整い、急速にスタートアップが増加してきました。
しかし、スタートアップの数が増えているとはいえ、成功する確率が上がったわけではありません。そこで、スタートアップ内の数少ない成功を分析してみると、そこには大きな発見がありました。
その発見とは、成功したスタートアップの実に2/3が、当初のプランを(リソースを使い切る前に)途中で変更しているという(ジョン・マリンズ、ランディー・コミサー著 プランB-破壊的イノベーションの戦略より)事実です。
そして、その成功の学びとして、最初のプランの有効性を検証するプロセスと、別なプランへの体系的な移行プロセスのニーズが高まりました。
ちなみに、スタートアップの失敗を分析してみると、さまざまな要因がありますが、一番大きい要因としてソリューションの構築やテストにかける数ヶ月の間、顧客と離れることにより、スタートアップのメンバー内で製品を作り込みすぎたり、顧客のニーズとかけ離れたものを作ってしまったりなど、いわゆる“顧客実証をしない製品開発手法”にあると言われています。
そこで、登場したのが“Runnning Lean(ランニング・リーン)” の誕生です。
Runnning Leanとは、リソースを使い切る前にプランAからうまくいくプランへの反復的に移行する体系的なプロセスを意味します。そのプロセスは、以下の3つの手順に分けられます。
1. プランA(ビジネスモデル)を文書化する
2. プランで最もリスクの高い部分を見つける
3. プランを体系的にテストする
この1における、プランAのビジネスモデルを書くために、最適なフォーマットとして誕生したのが、“リーン・キャンバス”です。
まとめ
方針にも記載した通り、リーン・キャンバスは作りきる必要はまったくありません。
キャンバスは時間をかけて進化する有機的なドキュメントなので、「今、考えていることと現時点で分かっていることをとりあえずすべて書き出す」ことに重きを置いて書くようにしましょう。
次回は、このリーン・キャンバスを使った実践編についてご紹介します。
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