バス蛇行運転、女性添乗員が救った 70歳運転手「覚えていない」
2016年1月21日6時0分 スポーツ報知
15人の命が奪われた長野・軽井沢のバス転落事故の2日後の17日、兵庫・淡路島でも大型バス蛇行運転が起きていたことが20日、分かった。愛媛県松山市から兵庫県宝塚市に向かうツアー客42人を乗せた大型バスで、40歳代の女性添乗員がハンドルを操作し危機を脱していた。
ツアーを催行した阪急交通社(大阪市)によると、アクシデントが発生したのは兵庫県淡路市の神戸淡路鳴門自動車道。17日午前6時半にJR松山駅を出発。同10時半ごろ、室津パーキングエリア(PA)の約5キロ手前から蛇行運転が始まった。バスは2車線(一部3車線)の左側を走行中、左右の車線を複数回またいで蛇行した。
運転していたのは70歳の男性運転手。添乗員が「大丈夫ですか」と声をかけたが運転手は答えず、立ち寄る予定の室津PAを通過。添乗員が運転席脇でハンドル操作を助け、次の淡路サービスエリアで停車した。
阪急交通社やバス会社によると、運転手は呼びかけられた時は運転席で目を開いて前方を見据え、アクセルとブレーキを操作したという。とっさに時速40キロまで減速したが、その後時速100キロまで加速した。車体の接触などはなく、けが人はいなかった。1泊2日で宝塚歌劇を観劇するツアーで、料金は1人1万9800円だった。
バス会社によると、運転手は14日に健康診断を受けたばかり。異常はみられず、出発前の点呼にも応じていた。「蛇行していたことは覚えていない」と話しているが、その後の記憶はあるといい、病院で精密検査を受けている。約45年のバス運転経験があるが、事故歴はなく、蛇行運転の前日と前々日も休日だったという。
阪急交通社はドライブレコーダーを解析するなどして原因を調べており、「あらためて安全運行管理を徹底したい」としている。