“医療保険の加入を勧められたけれど、いったい自分にどのくらいの保障が必要なのかわからない…”、“セールスマンが高額の契約を勧めるのは当然だし、万一の備えが厚いにこしたことはないけれど、毎月の支出がその分増えるのは、やはり苦しい…”
そんなとき、他の人はいったいどのくらいの保険に加入しているの?って、自分で決めなきゃならないこととはいえ、気になりますよね。
今回は、みんなが保険にどのくらいお金をかけているか?という疑問に迫りたいと思います!
それではまず、みんなが毎年どのくらいの保険料を払っているのかを見てみましょう。
生命保険文化センターの『生活保障に関する調査』(平成25年)によると、死亡保障や医療保障、個人年金保険までをも含めたすべての生命保険にかける年間保険料の平均は、男性が24.1万円、女性は18.2万円です。なお、保険料の男女別の分布は以下のようになります。
【みんなの保険料はいくら?~男女別グラフ~】 ■男性 ■女性
平均こそ男女とも20万円前後とやや高くなっていますが、分布を確認すると、「12万円未満」の層もかなり大きく、「24万円未満」という大きな括りにすると、男性で56.1%、女性で70.6%もの割合になります。年間24万円未満、つまり毎月の保険料を2万円未満に抑えている人が多数だということです。
とはいえ、保険は家族のバランスを取りながら考えるもの。平成24年の同調査によると、1世帯あたりの年間払込保険料の平均は、41.6万円です。分布は以下のようになります。
【みんなの保険料はいくら?~世帯別グラフ~】
こちらは分布を確認しても、中央値(調査結果でちょうど真ん中の順位の人の値)も「48~60万円」の層の低めに来るので、平均値がほぼみんなの実態を表していると考えて良いでしょう。平均の41.6万円は、月々に直すと約3.5万円となります。
※医療保険に限らず死亡保障や個人年金なども含めた、すべての生命保険合計の数字です。
しかし、年間84万円以上の保険料を支払っている世帯が8.1%もあるように、支払保険料にはかなりバラつきがあります。生活の実態はさまざま。それに即して加入する保険もさまざまということでしょう。
次に、みんながどのくらいの医療保障を得ているのかを見てみましょう。
これは、入院給付金の日額から判断することができます。入院給付金日額とは、入院した場合に「入院1日あたり○円」という形でもらえる給付金の額のことです。
生命保険文化センターの『生命保険に関する全国実態調査』(平成24年)によると、世帯主の入院給付金日額の平均は10050円、世帯主の妻の平均は8540円となっています。こちらも分布を確認しておきましょう。
【みんなの入院給付日額はいくら?~世帯主とその妻別グラフ~】 ■世帯主 ■妻
分布を確認する際に注意しておきたいのは、医療保険の入院給付金日額は5000円単位で設定するものが多いということです。「7000~10000円未満」の層が小さいのは、その金額に設定できる医療保険商品が少ないからだと考えられます。(「10000未満」に10000円は含まれません。)
このこともふまえて考えると、「5000~7000円未満」と「10000~15000円未満」の2つの層が大きいということは、みんな入院給付金日額を5000円または10000円で医療保険に加入しているということでしょう。男性では入院日額10000円の契約がやや多く、女性では反対に入院日額5000円の契約がやや多くなっています。
生命保険すべての合計保険料は毎月3万5000円程度に抑えている世帯が多数を占め、医療保険は入院給付金日額5000円・10000円のものに加入している人がほとんどでした。しかし、入院給付金日額5000円・10000円と一概に言っても、手術給付金額や付加する特約、健康祝金などの設定によって医療保険の保険料にはかなりの差がでます。
にもかかわらず、今回紹介したどの調査でも、「不明」と答えた人の割合が無視できないくらい高いのが気になります。金額すら「不明」なのでは、保障内容の細部までの理解は期待できません…。
どうかみなさんは、みんなの保険加入状況も参考にしながら、保障内容を十分にチェックしたうえで、ご自身のニーズに合った保険選びを心がけましょう。そして、加入した保険は適宜の見直しも欠かさないようにしたいですね!