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 フランスで進められていた神経系の新薬の治験で事故が起き、被験者の男性が脳死状態に陥った。仏保健省が15日発表した。さらに5人が神経系の症状で治療を受け、後遺症が残る人もいそうだという。治験の進め方や被験者の募集といった点に問題がなかったか、保健当局の調査とともに検察も捜査に乗り出した。

 新薬はポルトガルの企業が開発し、不安や痛みを和らげる効果が期待されていた。トゥーレーヌ保健相らの説明によると、動物実験を経て昨年7月から、経口薬として人を対象にした治験が始まった。

 被験者となったのは、ボランティアとして募った健康な男女で、被害にあったのは28~49歳の男性。処方のパターンを変えて影響をみるため、複数回の服用が求められたグループに属しており、今月7日に服用しはじめた。10日から体調が悪化して入院する人が出始めたため、治験は翌11日に中止されたという。

 トゥーレーヌ保健相は「悲劇だ」と指摘し、「事実関係の解明に全力をあげる」とした。(パリ=青田秀樹)