この混迷の中、もがき続ける自分たちは、
こんなにも一生懸命なのに、
周りから、大人から見れば、
ブランコの鎖をよじって、
目を回す子供のようだろうか。
それでも、それぞれは、
たしかに苦しんで、悩んで、
良くなりたいと、生きなきゃと、
その思いしかないのに、
矮小化された痛みの型にはめられて、
鎖に挟まる指が千切れるまで、
誰も止めに入りはしない。
足で地面を蹴ればいいよ、と、
教えてくれる人はいるだろうか。
最初だけだよ、と、
背中を押してくれる人はいるだろうか。
どうやったって、最後には、一人でしか、
乗られないから、舵とりできないから、と、
すべてを放任されてしまうのだろうか。
この混迷の中、鎖の錆が指につく。
血の、匂いがする。
ブランコを漕ごうとせずに、
鎖からも手を離し、
ぼんやりとそこに腰掛けたままで、
空を見上げることを、覚えたい。
漕ぎ出すときの、足先のつんのめる感覚や、
鎖の隙間に手汗がしたたる感覚を、
全部忘れて、
前後するだけのただのブランコを、
乗りこなせないからと貶されることの、
小さな法を、吞み込みたい。
こんなにも、空は広かったのか、と、
こんなにも青くて、水色で、
雲はどの絵の具よりも真っ白で、
太陽がそこになくても何故か眩しく、
目を細めてしか見られない。
その彩色の単純さも、眩しさの圧倒も、
そこに、ずっと、あり続けていて、
それを見ようとしないでいるのは、ほかの、
誰でもないと気づきたい。
髪の毛が鎖に絡まらぬように、
バランスを崩して後ろから転ばないように、
でも、ブランコにちょこんと腰掛けて、
一人で、
空などを、見上げたい、ものです。
くらむ
p.s.
くらむは個人的に少々精神崩壊中です。
壊れる事を直すために別が壊れました。
少しの間ここにだけ居ます。