日々会社で上司のパワハラや、パワハラまがいの行為に耐えながら働いているみなさん...
「今日も会社に行きたくない」とか、「上司の顔も見たくない」とか、「いっそ会社を辞めてしまいたい」とか考えていたりしませんか?
今日の記事は、そんな会社の理不尽な側面に一石を投じる思いで書いています。
私は今、会社の総務・人事で働いています。この部署には社員の入社・退社の情報がすべて集まってきます。社員の入退社には様々なドラマがあります。感動的なドラマもあれば、悔しくて泣けてきてしまいそうなドラマもあります。
特に後者のドラマは当たり前ですが、退社時に多く生まれます。立場上、退職者の最後の面談の相手になることがよくあります。毎年何名かの辞めていってしまう社員(特に思い入れのあった若手社員)と話していると、彼らの彼女らの入社時(採用選考時)の記憶が蘇ってきて、何もしてやることができなかった無力な自分を責めるとともに、その退職理由を聞いて、やるせないというか、本当に悔しい思いをすることがよくあります。
中には新天地を求め、期待に胸を膨らませノリノリで辞めていく社員もいることはいますが、大部分は不可解な上司の対応であったり、パワハラといっても過言ではないような仕打ちに耐えきれずに辞めていくケースが大部分です。(退職理由は圧倒的に対上司問題が多いのです。)
上司(マネージャー)の責任は本当に甚大です。上司に問題があるとコミュニケーションが取り辛くなり、職場は息苦しいものとなり、職場全体が心身共に消耗し、次第に健康を損ねたり、逃げ出す(退職する)ような部下が出てきてしまいます。
そこで今日は、辞めていった若手社員が最後の訴えとして、私に残してくれた言葉を参考にし、「こんな上司(マネージャー)が部下を潰す」というテーマで困った上司像をまとめてみます。
もちろんこの記事を通して、自分自身を戒める必要もありますし、部下をお持ちの方は是非ご一読いただいて参考にしていただければ幸甚です。
中間管理職はストレスの溜まるポジションです。
紛れもなく私もそのひとりですし、極論すれば社長と新入社員一年生以外は、管理職かどうかは別にして、(中間)であるといえなくもありません。
そういった意味では今日のテーマはサラリーマンの大部分の方に関係のあることなのです。
本題に入る前に、以前この記事でも詳しく紹介していますが、厚生労働省のパワハラの定義をまとめておきます。
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厚生労働省の「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」によるとパワハラの概念は、
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場に働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職業内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
となっています。またどのような行為がパワハラにあたるのかというと...
【1】(身体的な攻撃)暴行・傷害
【2】(精神的な攻撃)脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
【3】(人間関係からの切り離し)隔離・仲間外し・無視
【4】(過大な要求)業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
【5】(過小の要求)業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない
【6】(個の侵害)私的なことに過度に立ち入る
となっていて、さらにこれらに限定されないと(網羅されていない)となっています。
実際はこれらが混合して行われていることが多いです。
それではそろそろ人事が最も恐れている、早急な対策が必要な「こんな上司が部下を潰す」8つのタイプのそれぞれ特徴を3つづつ挙げていきます。
1.叱り方が下手で部下を怒鳴ったり傷つけたりすることしかできない
- 職場で何かにつけ声を荒らげて部下を怒鳴りつけるため、その当事者だけではなく、その一部始終を嫌でも聞かされる職場のスタッフのストレスや士気低下に繋がっている。
- 叱る言動や叱る場面にデリカシーがなく、部下の心臓を凍らせてしまうようなやり方で「人としての尊厳」まで傷つけていたとしても当人はへっちゃらである。
- 部下の間違いを厳しく指摘することは一概に悪いこととは言わないが、目的や理由を明確に説明し、部下が納得できなければ単なる言葉の暴力でしかない。
2.独断的で部下の進言や提言に耳を貸さない
- 部下からの進言に対し「誰に向かって言ってるんだ」とか、「何生意気なことを言ってるんだ」といった威圧的な態度をとる。
- 世界は自分を中心に回っている、もしくは回したいと考えているので、それにそぐわない部下からの意見は、理由も言わず、力づくで捻り潰す。
- 納得いくまで部下と意見交換し、部下が腹落ちするような結論を導き出すような技量はまるでない。
3.自分の立ち位置からしか物事を見ることができない
- 部下の気持ちを想像したり、部下の立場に立って物事を見ることをせず、「あんた何がそんなに偉いの」と言いたくなるほど常に上から目線で部下に接する。
- 「あ・うん」の呼吸で自分の言いたいことが部下に十分伝わっていると根拠なく楽観していて、もしそれが伝わっていないと部下を無能呼ばわりする。
- 自分がバリバリのやり手だと過信していて、部下も巻き込んで、部下の都合に何の配慮もなく、情け容赦なく自分のペースで仕事をすすめる(残業等)。
4.窮地に追い込まれている部下に手を差し伸べない
- 仕事の進め方がわからず質問をしてきた部下に、「勉強だと思って自分で全部やってみろ」などと一見カッコいいことを言って突き放し、面倒臭がってフォローもしない。
- 以前教えたことを再度聞いてくる部下に、「ちゃんとメモぐらい取れ」とか「何回言わせるんだ」等と叱責し、露骨に嫌な顔をする。
- 自分が指示した仕事で、部下が得意先や他部署から責められていても、一緒になって対峙したり擁護したりするどころか、遠目からせせら笑い、見て見ぬふりして面倒なことに首を突っ込もうとしない。
5.部下との関係は一方的な指示命令系統に過ぎないと思っている
- 会議やミーティングは一方的な上から下への連絡事項通達の場で、部下からの意見を聞く場ではさらさらないと思っている。
- 部下愛や人間愛といったものがまったくなく、仕事を指示する際もメールだったり、最小限の言葉に止まり、無責任で冷ややかである。
- 部下の個性(強み・弱み)にはまったく気を配らず、誰に対しても同じようなメリハリのない指示を出し、個々の能力に関係なく同等なノルマを課す
6.部下に対して自分のビジョンや目的を明確にしない・できない
- 部下に仕事を任せる際も、その意義や目的などをいつまでたっても語らないので、部下はどんどん疑心暗鬼に陥る
- 部下がもし失敗したとしてもその結果を本人に伝えず、自分(上司)の胸の中にだけに留めるので、部下は不完全燃焼を起こしてしまう。
- 「自分が責任を全て取ると覚悟している」から何も語らないのではなく、「何ひとつ真剣に考えていない」から語らないケースの方が圧倒的に多い
7.自己を客観的に見ることができず失敗はすべて部下に擦りつける
- 自己分析ができていないので自己批判もできないし、自責の考え方が欠落しているので謝ることも一切できず、そのことにそもそも自分自身が気づいていない。
- トラブルの原因がその上司にあるのは誰の目にも明白なのに、延々と身の潔白を主張し、人に責任転嫁したり、挙句の果てに被害者面して居直る。
- 職場全体の保身を考えるのならまだましだが、自分の保身しか頭にないので、何かトラブルが起きても平気で部下や会社や世間のせいにする。
8.ノリが軽すぎて友達感覚で業務時間外も引きずり回す
- 自分の気分(ノリ)に付き合わせて残業させた部下を引き連れて、半強制的に延々と飲み歩く。
- 飲みの席ではいつも同じ話が多く、会社や自分の上司の愚痴や批判ばかり垂れ流し、聞いているだけで嫌気がさす。
- 部下を学生時代のサークルの後輩のようなものと錯覚し、仕事を円滑にするためのコミュニケーションを取っていると思い込んで、単にワイワイ騒ぐことに終始している。
以上が、人事が最も恐れている「こんな上司が部下を潰す」8つのタイプについてでした。
いかがだったでしょうか?
このようなタイプの人は本来、上司(マネージャー)になるべきではないのでしょうが、残念ながら素晴らしい上司ばかりが世間に溢れているわけではありません。
また個としては有能な人材だからと言って、部下を立派に育てられる素晴らしい上司(マネージャー)になれるわけではないということも、事態をさらに難しくさせています。
冒頭でも少し触れましたが、社員が辞めていく大きな理由のひとつが「対上司問題」となっている以上、今日のテーマはほとんどの職場で、避けては通れないものだと言えます。
今日の8つのタイプをまとめてみて思うに、マネジメントとは「信賞必罰で管理すること」ではなく、「育てること、発展させること」だとしみじみ感じています。
私も一中間管理職として、部下と真摯に向き合い、人間同士として信頼し合い、血の通った人間関係を築きあげていきたいものです。
それでは最後に参考として、精神科医である夏目誠・大阪樟蔭女子大学人間科学部教授の研究グループが88年に発表した日本版のストレス点数表を貼っておきますので参考にしてください。
★こんなマネージャーが会社を潰す
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