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「子ども食堂」の現状や課題を報告する催し
1月11日 18時52分

「子ども食堂」の現状や課題を報告する催し
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生活に困窮する子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」の現状や課題を報告する催しが都内で開かれ、「新たに食堂を始めたい」という人たちが全国から参加しました。
世帯の可処分所得などを基に国が「貧困状態」にあるとした17歳以下の子どもの割合は、平成24年の最新の調査で16.3%、6人に1人と、過去最悪となっています。
子ども食堂は、こうしたなか、生活に困窮する子どもたちに、寄付などで集めた食材を使って、無料または格安で食事を提供する取り組みで、首都圏を中心に増えています。
11日の催しには、「新たに食堂を始めたい」という人たちを中心に、全国からおよそ350人が集まり、すでに食堂を運営しているNPOなどのグループが、開設までにクリアすべき課題や苦労した点などについて、実例を交えて報告しました。
この中で、東京・練馬区で月2回、子ども食堂を開いている女性は「最初は周知のしかたが分からず、食材が余るときもあったが、チラシを配るなど幅広く呼びかけるうちに徐々に利用者が増えていった。1人でも子どもが助かってほしいという思いでやっている」と話していました。
食堂を開きたいと名古屋市から参加した女性は「『肩ひじを張らずにやってみたら』ということばに勇気づけられました。友人たちにも声を掛けてやり方を考えたい」などと話していました。
主催したNPOなどは、今後、「子ども食堂」の運営方法を伝えるセミナーなども開催し、活動を広めていくことにしています。

「子ども食堂」は精神的な支えにも

「子ども食堂」は、困窮する子どもたちの食を支えるだけでなく、精神的な支えになっている場合もあります。
東京・豊島区の「子ども食堂」に通っている中学1年生の女子生徒は、3年ほど前、初めて「子ども食堂」を訪れたときのことをはっきりと覚えています。母親との2人暮らしで生活が困窮するなか、「食堂でご飯を食べたときは心から温かくなりました」と話していました。また、当時、女子生徒は不登校でしたが、食堂で料理の手伝いなどをするようになり、周りの大人たちと話すうちに「受け入れられている」と感じ、学校に通えるようになったといいます。母親は「私たちのことを温かく迎えてくれる人がいるだけで生活が変わった。温かいご飯もだが、人との関わりの大切さも教えてもらった」と話しています。

全国に広がる「子ども食堂」

首都圏で「子ども食堂」を運営するNPOなどで作る「こども食堂ネットワーク」によりますと、食堂の数はこの半年ほどで増えていて、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で、現在分かっているだけでも33か所に上るということです。
取り組みには行政も注目していて、厚生労働省はことし4月からその運営費の一部を補助することにしています。
また、北九州市では、市が主体となって「子ども食堂」の開設を検討しているということです。

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