「水爆」実験:拡声器以外に対抗手段が見当たらない韓国政府

 しかし韓国政府は開城工団の閉鎖には今なお慎重だ。ある韓国政府関係者は「開城工団には1週間に延べ1100人の韓国人が滞在しており、韓国の資産もすでに相当残されている。また彼らの安全など、考慮すべき問題があまりにも多い」と語る。拡声器については昨年8月の南北高官級協議の合意を受け中断されているが、専門家は「当時の合意では『非正常な事態が発生しない限り』という前提条件があるため、今回拡声器放送を再開しても問題はない」と指摘する。しかし核実験のような軍事的非常事態に心理戦で対抗するようでは、その「重み」があまりにも違い過ぎるとの指摘も根強い。

 韓国政府が考える軍事面での対抗策は、現時点でいずれも実現していない「キルチェーン」と韓国型ミサイル防衛システム(KAMD)だ。キルチェーンとは敵のミサイルをリアルタイムで捕捉し、先制攻撃を加える攻撃型防衛システムのことで、これには巨額の国防予算が必要だ。政府部内では「今後は米国の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の導入問題もあらためて議論されるだろう」と予想する声も出ている。

 高麗大学の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「キルチェーンだけでは不十分だ。核攻撃を阻止するには核しかない」とした上で「われわれが核兵器を開発できないのなら、米国に対して核の傘をあらためて強く求めなければならない」と主張する。

 南北関係は今や再び極度の緊張状態に入ったようだ。朴大統領が提唱する「韓半島信頼プロセス」が試されているとの指摘も聞こえてくる。強固な安全保障体制を基盤に、南北間で信頼を造成するための交流を進めるのが韓半島信頼プロセスのポイントだが、北朝鮮が核開発を進めるのであれば、その前提条件が崩壊してしまう。現在、南北関係は2013年2月に北朝鮮が3回目の核実験を行った当時に逆戻りし、朴大統領によるこれまでの努力も完全に無駄になってしまったようだ。

崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
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