角津栄一
2016年1月8日03時00分
県の自然環境保全地域に指定され、希少動植物が確認されている湿原「春子谷地(はるこやち)」(滝沢市)の面積が、この60年余りで5割以上減少している。現地調査をしている県立博物館の鈴木まほろ専門学芸員(植物分野)によると、今後も陸地化が進むとみられ、絶滅危惧種を育む生態系が脅かされているという。
県によると、春子谷地は標高460メートル以下にあり、低標高地では県内最大規模の湿原で、周辺を含む面積は約38ヘクタール。春子谷地の周辺には牧草地や畑があるが、ほとんど人の手が加えられることなく、良好な自然状態が保たれている。滝沢市は湿原の植物群落を市天然記念物に指定している。
だが、土砂の流入によって森林やヨシ原などが拡大し、北側部分が陸地となった。鈴木学芸員が空撮写真をもとに推計したところ、1948年当時の湿原の面積を100とすると、2005年までに40%以上が減少し、14年までに55%以上減少したとみられる。
県内の研究者が07年から09年にかけて調査した結果、新種とみられる昆虫や絶滅危惧種の鳥類の生息が確認された。一方、かつてここで採取された標本があるのに、見つからない植物もあるという。鈴木学芸員は「湿原の生態系は周辺とつながっており、湿原の保全には周辺環境を守ることが必要」と指摘する。(角津栄一)
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